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[高校MOM168]山梨学院大付MF平塚拓真(3年)_国立の忘れ物を取りに

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 山梨学院大付2-0香川西 駒場]

 山梨学院大付(山梨)のU-18日本代表候補MF平塚拓真(3年)が1得点1アシストで勝利の原動力となった。守りを固める相手を攻めあぐねていた前半ロスタイム、左CKでDF中田寛人(3年)の先制点をアシスト。「あのタイミングで取れて楽になった。セットプレーで試合が決まることもあるし、1本1本を大事にした」。渾身のキックで、試合をぐっと優位に運んだ。

 「後半は相手が前に出てきた分、裏が空いていた。2列目から出ていけば、チャンスになると思った」。後半25分、MF碓井鉄平(3年)からFW加部未蘭(2年)にくさびのパスが入った瞬間、動き出した。「パスが来ると信じた」という平塚の願い通り、加部はワンタッチで絶妙なスルーパス。あとはGKとの1対1を流し込むだけだった。

 平塚も碓井も、1学年下の加部もF東京U-15むさしの出身。中学時代から一緒にプレーしてきた阿吽の呼吸があった。F東京U-18への昇格はかなわなかったが、「選手権を目標に山梨に行った」と、親元を離れ、新たな挑戦に踏み出した。

 当時は全国大会出場経験もない新興の高校だったが、「自分たちで歴史を変えようと思った」。3年目にして初の全国選手権出場。そして、8強入り。本命不在の大会で、一躍ダークホースに躍り出た。

 5日の準々決勝・ルーテル学院戦に勝てば、いよいよ国立競技場での準決勝だ。中学3年時の高円宮杯全日本ユース(U-15)選手権。国立での決勝まで勝ち進んだが、延長戦の末、当時中学2年だったG大阪ジュニアユースのFW宇佐美貴史に決勝点を決められ、準優勝に終わった。「あのときの借りを返したい」。もう1つ勝って、当時のチームメイトとともに国立へ忘れ物を取りに行く。

<写真>山梨学院大付MF平塚
(取材・文 西山紘平)

特設:高校サッカー選手権2009

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