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【連載】2010Jリーグ新天地での挑戦(6)DF森重真人(F東京)

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 浦和、川崎Fよりも、FC東京で-。大分からFC東京加入を決断したDF森重真人。そこには、チームとともに自分も成長したいという思いがあった。

 「自分のステップアップとして、移籍をしようと思った。その中でFC東京という場所を選んだ。自分が一番、成長できる場所だと思った。練習でも100%でやるとか、そういう意識の高さを監督から話を聞いて、すごく成長できると思った。優勝というタイトルも取れるチームだと思うし、監督もクラブも一つの方向に向かっている。自分も貢献したい」

 クラブ事情、自身のステップアップもあって、移籍を決断した。浦和、川崎Fと、FC東京よりも“格が上”のクラブからもオファーを受けた。浦和とFC東京は指揮官とも面談。その結果、城福監督の情熱に心を奪われた。まだ発展途上の若きクラブに自分の居場所、魅力を感じたという。

 森重は広島皆実高から大分に入団。07年のU-20W杯、08年の北京五輪に出場し、日本代表にも招集されるなど将来を期待されるCB。守備面はもちろん、テクニックにも優れ、近年、DFに必要とされるパスセンス、ゲームメイク能力もある。今季は日本代表の今野とともにJ屈指の“ゲームメイク型CBコンビ”が誕生する。

 「目標とする選手がすごく近くにいる。成長につながると思う。言われているポジションはDFで、求められているのは、失点を少なくすることと、後ろからのビルドアップ。監督からもそう説明してもらいました。アシスト? それは昨年から考えていました。パスでアシストできれば。それと、点を取りたいですね。でも、基本は守備ですし、ビルドアップのパスをしっかりと出したいです」

 現在は昨年9月下旬に右膝外側半月板損傷の手術を受けたため、リハビリの途上。ほぼ完治はしたが、あとは実戦に耐えうるひざを作るのが目標だ。「順調にきています。開幕は問題ないです」と森重。すでにFC東京の最終ラインを今野とともに統率し、優勝争いをすることを思い描いている。

 そして、その先も見据えている。「日本代表は入りたいですね。そのためにも、チームでしっかりと頑張りたいです」。森重は日本代表復帰→定着を見据えている。FC東京は現在、5選手を輩出しており、それが代表入りに有利に働く可能性はある。もちろん、チームが掲げるタイトル奪取に貢献すればなおさらだ。

 まだ22歳。パスを出せる“近代型CB”の可能性は、無限に広がっている。南アはもちろん、その先のW杯も。東京経由世界進出。森重の“挑戦”に注目したい。

(取材・文 近藤安弘)

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第2回北野貴之(大宮)
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※この連載では10年シーズンに新天地へ移籍した注目選手をJ1の18チームから1人ずつピックアップしていきます(新人選手は除く)

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