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【連載】南アフリカへのサバイバル(2)MF金崎夢生(名古屋)

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 20歳のアタッカーが、最も選手層の厚い中盤のポジション争いに果敢なチャレンジを続けている。MF金崎夢生(名古屋)は若手主体で臨んだ6日のアジア杯予選・イエメン戦で2得点に絡む活躍を見せ、岡田武史監督にアピール。FW平山相太、MF乾貴士らとともに指宿合宿への参加権を獲得した。

 A代表デビューは昨年1月20日、熊本で開催されたイエメン戦(2-1)だった。後半43分からの出場と時間は短かったが、3月28日のW杯アジア最終予選・バーレーン戦でも招集された。「去年は緊張も多少あったけど、もう初めてではないし、大丈夫」と、徐々に自分の色を出せるようになってきている。

 29日の練習試合では右MFとボランチの2役を務め、右CKにヘディングで合わせて1得点もマークした。「たまたま当たって、いいところにいっただけ」と謙遜したが、180cmというチームでは長身の部類に入る恵まれた体格を生かしたドリブル突破やゴール前に飛び出す動きには迫力がある。

 中盤は海外組も含めれば、最も層が厚い。サバイバル競争を勝ち抜き、6月にW杯のピッチを踏むことは簡単なことではない。だが、今のチームにはない武器を持っているとの自信もある。「飛び出す動きは自分の特徴でもあるし、このチームにも必要なことだと思う。飛び出す選手が少ないので、自分の特徴を出していければ」と力を込めた。

 2列目とボランチという2つのポジションで試されていることについても「どこのポジションでも自分のプレーをするだけ。1つのポジションだけでなく、複数のポジションができればアピールにもなる」と前向きに取り組んでいる。

 「厳しい状況だけど、自分のプレーをするしかない。W杯は選手である以上、だれもが出たい大会。そこに入っていきたい気持ちは強い。そのために何が必要なのかを考えている。最後は監督が決めること。悔いを残さず、最後までプレーしたい」

 2月2日のベネズエラ戦の会場は九州石油ドーム。昨季まで所属していた大分の本拠地で行われる。「大分サポーターの方も見に来るだろうし、元気な姿を見せたい」。慣れ親しんだスタジアム。どれだけの時間、チャンスをもらえるかは分からない。それでも、そこで自分自身が完全燃焼することが南アフリカへの足がかりにもなるはずだ。

<写真>MF金崎夢生は29日の練習試合で1得点を決めた

(取材・文 西山紘平)

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