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点は取って勝ったが…岡田監督にブーイングも

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[2.11 東アジア選手権 日本3-0香港 国立]

 日本代表は11日、東アジア選手権第2戦で香港と対戦。日本は前半41分、FW玉田圭司の先制点で3試合ぶりのゴールを奪うと、後半20分にDF田中マルクス闘莉王、同37分に玉田がセットプレーから追加点を決め、3-0で勝った。

 日本はDF長友佑都が体調不良、FW岡崎慎司が右ひざ痛で欠場。MF稲本潤一もベンチスタートで、6日の中国戦から先発3人が入れ替わり、DF駒野友一、MF小笠原満男、MF今野泰幸が今大会初先発となった。システムは4-4-2で、GK楢崎正剛、4バックは右から内田篤人、中澤佑二、田中マルクス闘莉王、駒野。中盤は遠藤保仁と今野のダブルボランチで、右に中村憲剛、左に小笠原が入り、玉田圭司と大久保嘉人が2トップを組んだ。

 優勝を狙うには得失点差を稼ぐためにも大量点が欲しい一戦だったが、試合は静かな立ち上がりを見せた。激しい雨によるスリッピーなピッチの影響か、ボールコントロールのミスが多く、パスの呼吸が合わないシーンも目立った。

 前半16分、遠藤の右CKに闘莉王が頭で合わせ、ファーストシュートを放つと、日本が一方的に攻め込む展開に。直後には大久保のパスを受けた玉田が左クロス。走り込んだ大久保がヘディングで狙ったが、枠を外れた。同20分にもFKの跳ね返りから中村が左足の強烈ミドルを放ったが、GKがなんとか抑えた。

 引いて守る相手を攻めあぐねた。香港はほとんど高い位置からプレッシャーをかけず、自陣に守備ブロックを形成。日本はその手前では余裕を持って回せたが、ボールを持てる余り、考える時間が長すぎて、攻撃にスピード感も連動性もなかった。小笠原が左右を揺さぶり、遠藤がくさびの縦パスを入れる場面もあったが、相手を崩し切るところまではいかなかった。

 ようやく先制点が決まったのは前半41分。相手のミスからだった。ゴール前で相手DFのクリアミスを玉田が拾うと、GKが前に出て無人になっていたゴールに角度のない位置から落ち着いて流し込んだ。これが国内主力組で臨んだ試合では2010年初ゴールとなった。

 1-0で折り返したハーフタイム、日本は今野に代えてFW平山相太を投入。小笠原がボランチ、大久保が左MFにポジションを下げ、玉田と平山の2トップになった。

 後半6分には左サイドで大久保のスルーパスに駒野が抜け出し、マイナスの折り返しを受けた中村が左足で狙ったが、GKがセーブ。同12分、闘莉王のフィードにラインぎりぎりで追いついた内田が右クロスを上げると、平山が高い打点で合わせたが、ゴール右に外れた。

 後半16分、小笠原の縦パスに大久保が競り合い、こぼれ球を玉田が押し込んだが、大久保のハンドを取られ、ノーゴール。なかなか追加点を奪えない日本は同17分、小笠原に代えてMF稲本潤一が入った。後半19分には相手GKが飛び出し、無人になっていたゴール前で平山が左足ボレーを打ったが、シュートは浮いてしまった。

 じりじりとした展開が続いたが、後半20分、再三あったセットプレーのチャンスをようやくものにした。遠藤の左CKから闘莉王が頭で叩き込み、追加点。2-0とリードを広げた。

 後半26分にはショートコーナーから駒野の左クロスに平山が頭で合わせたが、ゴール左へ。途中出場の稲本もスペースを突いた正確な縦パスでチャンスを演出した。

 後半37分には遠藤の左CKから3点目。ゴール前で中澤、平山と立て続けにシュートを打つと、最後は混戦から玉田が押し込んだ。

 試合はそのまま3-0で終了。2試合連続スコアレスドローのあとの快勝とはいえ、昨年のアジア杯予選でホームで6-0、アウェーで4-0と圧勝した相手。3得点も相手のミスとセットプレーからで、手放しでは喜べない内容。試合後のインタビューでは岡田武史監督に1万6368人の観衆からブーイングも飛んでいた。

<写真>この日2得点を挙げた日本代表FW玉田
(取材・文 西山紘平)

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