beacon

鄭大世が汚名返上の2発!川崎FがF東京を撃破

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.4 J1第5節 川崎F2-1F東京 等々力]

 J1第5節2日目が4日に各地で行われ、川崎・等々力陸上競技場では川崎フロンターレFC東京が対戦した。17回目となった多摩川クラシコ(ナビスコ杯を除く)は、ACLで暴行退場を喫した川崎Fの北朝鮮代表FW鄭大世が汚名返上の2ゴールを決め、2-1勝利に導いた。川崎Fは同一カード3連勝でリーグ戦3試合ぶりの白星をつかんだ。

 川崎Fは4-3-3システムを採用。GKは川島永嗣、DFラインは右から森勇介、井川祐輔、寺田周平、小宮山尊信。中盤はアンカーに稲本潤一、2列目は谷口博之と田坂祐介。3トップは鄭大世を中央に右がレナチーニョ、左に黒津勝が入った。

 対するFC東京は4-4-2を採用。GKは権田修一、DFラインは右から椋原健太、森重真人、今野泰幸、長友佑都。中盤はボランチが羽生直剛と徳永悠平、右MFに石川直宏、左MFに中村北斗が入った。2トップは筑波大コンビの鈴木達也と平山相太が組んだ。

 序盤、両ストライカーが見せ場を作った。まずはFC東京。開始4分、平山がDFのクリアボールを拾って右足で強烈なミドルシュート。枠を外したが、積極性をみせた。次は川崎Fの鄭。同12分に右サイドからの森のクロスからヘディングシュート。こちらは叩きつけすぎてワンバウンド。GK権田にキャッチされた。

 ともに中盤で積極的にプレスを掛け合い、奪ってからの速い攻撃を繰り出す。前半18分にはFC東京が左サイドからのスローインから速攻。鈴木がドリブルで持ち込み、右の石川へ。最後は中村がPA中央付近でシュートを放つが、枠を捕らえられなかった。

 前半21分、川崎Fが先制点を奪った。左サイドを攻略し、森の縦パスから深くえぐった黒津が左足でクロス。DF森重がヘディングでクリアしたボールが、不運にもPA前の鄭大世の前へ転がる。北朝鮮代表FWは胸トラップから右足一閃。豪快にゴールネットを揺らして1-0とした。

 その後、ともに攻撃の手を緩めず好機を作り出す。前半24分、FC東京は左サイドを長友が攻め込み、中央へ折り返す。中村から羽生につながり右足を振り抜くが、左ポストを直撃。跳ね返りを平山が詰めたが、オフサイドだった。

 FC東京は前半26分にPA左で中村が無回転FKでゴールを狙うが、わずかに外れた。さらに同32分、右サイドの椋原からのクロスに、平山が長身を生かしてヘディングシュート。絶好期も、これはクロスバーに弾かれた。こぼれ球を中村が詰めたが、シュートは空振りに。その後も一進一退の攻防が続き、前半はそのまま川崎Fが1点リードで折り返した。

 後半、ともに選手交代はなし。立ち上がりは川崎Fがやや押し気味に進めた。開始8分、稲本がドリブルで突進しPA中央やや右からミドルシュート。さらに同14分には再び稲本が今度は左足でミドルシュートを放った。ゴールこそ決まらないが、鄭や稲本が破壊力のある攻撃を展開した。FC東京は同14分、中村に代えてキム・ヨングンを投入。キムがCBに入り、今野がボランチに上がった。

 その直後、川崎Fの鄭大世が強烈な一撃で追加点を奪った。後半16分、PA左手前で得たFK。豪快に右足を振り抜くと、グラウンダーのボールはFC東京の壁の足元をすり抜けて左へ。GK権田の手を弾いて左隅に突き刺した。

 FC東京はたまらず選手交代をうつ。後半18分、鈴木に代えて公式戦2試合連続ゴール中のルーキー、FW重松健太郎を投入。何とかゴールを狙いにいった。さらに同23分、羽生に代えてMF大竹洋平を投入。若き力にゴールを託した。

 後半24分、その重松が右サイドを椋原とのコンビで攻略しドリブルで仕掛けるが、PA内右でカットされた。さらに同26分、大竹がPA手前で今野とのパス交換で揺さぶり、最後は浮球で重松にパス。これは守備陣にブロックされたが、若き2人が可能性を感じさせた。この時間はFC東京が支配した。

 川崎Fは後半28分、田坂に代えてMF木村祐志を投入。疲れが見え始めた2列目の活性化を狙った。後半31分、カウンターを展開。右サイドのレナチーニョから鄭にスルーパス。これはわずかにGK権田が早くキャッチした。

 川崎Fはカウンター、FC東京はボールを回して攻め込むという図式で試合が進む。後半35分、川崎Fが決定機をつかむ。PA左で稲本がドリブルで仕掛け、中のレナチーニョへ。最後はPA内左の鄭大世につながり右足でシュート。ハットトリック達成かと思ったが、これは相手に弾かれCKとなった。

 FC東京は後半37分、素早いつなぎから右サイドを攻め、椋原がクロス。これを重松がニアに走り込んでヘディングでシュートを放つが、ゴール右に外れた。

 その後、川崎Fはペースを握り返す。後半39分、PA右でパスを受けた鄭大世が右足でシュート。強烈な一撃だったが、わずかに枠をとらえることができなかった。川崎Fは同40分、黒津に代えてMFヴィトール・ジュニオールを投入。リーグ戦初出場を果たした。

 FC東京は何とか1点を狙って攻め込もうとするが、バイタルエリアを攻略できない。川崎Fは稲本と谷口のダブルボランチにして、守備のブロックを形成した。

 ロスタイムは4分。FC東京がようやく1点を奪った。右からのボールに重松が混戦から右足でシュート。これはGK川島がセーブし、さらに相手DFがクリアしたが、これが今野泰幸のもとへ。左足ボレーを放つと、ゴール左に決まり1点差に迫った。川崎Fは谷口に代えて横山知伸を投入。逃げ切りを狙った。FC東京はロングボールで攻めようとしたが、反撃はここまで。2-1で川崎Fが勝利をつかんだ。

<写真>2得点を決めた川崎F・FW鄭大世
(取材・文 近藤安弘)

TOP