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【連載】南アへカウントダウン!(10)徳永、ボランチの経験生かしてSBで勝負

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南アフリカW杯開幕まであと68日!
[4.4 J1第5節 川崎F2-1F東京 等々力]

 ボランチで培ったゲームメーク能力を生かして、サイドバックで勝負する-。7日のセルビア戦(長居)で日本代表に復帰したFC東京のDF徳永悠平。チームでは今季から攻守の舵取り役を任されているが、代表では本職のSBでの生き残りを誓った。

 「代表でもボランチやりたい? いや、あそこは(代表では)厳しい位置なんで。サイドバックで勝負します。(ボランチで培った)ボールを受けて起点になることや、自分のところで(タメやゲームを)作るとか、少しでも高い位置でボールを奪って仕掛けるとか、そこはSBに通じると思う。そういうのをやっていきたい」

 昨季、ボランチの主力だった米本拓司が開幕前に左膝に重傷を負い手術。長期離脱が決まったことで、右SBの徳永が緊急コンバートされた。とはいえ、大学生時代は、GK以外のほとんどのポジションを任されるほどの器用さを持つ男は、ボランチでも才能を発揮。この日も、一部報道陣から「稲本よりいいかも」との声が上がるほど攻守で光った。

 対面にはその稲本潤一がいた。「球際の寄せの速さや、行くところと行かないところの判断の速さ、すごく勉強になった。そこは自分に足りないところですから」。試合をしながらも、第一人者の稲本のプレーを観察し、少しでも自身の成長につながる部分はないか、探っていたという。

 その稲本は、徳永のボランチについて「守備もできるし、しっかりとボールをつなげて起点になれていた。慣れてくれば、もっともっとやれるのではないか」と、その潜在能力を評価した。

 とはいえ、代表ボランチはその稲本潤一遠藤保仁長谷部誠中村憲剛阿部勇樹今野泰幸らがひしめく最激戦区。ボランチができる、ということはアピールするが、もちろん勝負は右SBだ。そのSBでは今回、磐田DF駒野友一が怪我で辞退した。チャンスが与えられる可能性は高くなった。

 右SBのレギュラー最右翼、鹿島DF内田篤人と比べて、守備力は優っているが、クロスの精度など攻撃面で劣っているとされる徳永。だが、ボランチで培った攻撃力を生かし、攻撃でも日本代表に貢献できることを証明する。
 
<写真>F東京主将として試合前の握手に臨む徳永(2番)
(取材・文 近藤安弘)
※今連載ではJリーグ取材時にW杯を目指す日本代表選手を取り上げていきます

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