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【連載】南アへカウントダウン!(17)大久保バットマン姿で強行出場。ライバルに負けん!

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南アフリカW杯開幕まであと48日!
[4.24 J1第8節 川崎F3-0神戸 等々力]

 休んでなんかいられない。左膝が完治していないうえ、鼻骨骨折まで負ったヴィッセル神戸のFW大久保嘉人が“バットマン”姿で強行出場を果たした。

 「見えにくいね。ここ(前方)しか見えない。途中、何度も取ろうと思ったけど、取ったらだめだといわれてるからね。足元も見ないとさばけない。まあ、慣れないといけないね。でも、ヘディングは大丈夫やったよ」

 17日の仙台戦で骨折したばかりだが、川崎F戦の後半開始からFW都倉に代わって、黒色のフェースガードを付けて登場。「バットマン」といえば聞こえはいいが、鼻は複雑骨折で、全治までまだ3週間という状況。当然、痛みはある。左膝もだいぶ痛みが引いたとはいえ、テーピングでグルグル巻きされた状況だった。

 それでもシュートを1本放ち、クロスに飛びこむなど怪我人とは思えないプレーを披露。微妙な判定に対しては、いつも通り? 審判に食ってかかるなど、大久保らしい元気な姿をみせた。「足はもう大丈夫だった。試合には負けたけど、自分としては良かった」と、動きに手ごたえをつかんだことを明かした。

 まさに満身創痍。キャラもあり、あまり辛そうにはみえないが、万全でないのは言うまでもない。本来なら休むべき状況だ。それでも、こうして強行出場を続けるのは、当然だが、W杯メンバー入りを目指しているからだ。

 大久保は代表では4-5-1の左MFとして、生き残りを争う状況。この位置には、グルノーブルの松井大輔もいるほか、名古屋の玉田圭司、そしてくしくもこの日、あご骨折から復帰して先発、ほぼフル出場した川崎FのMF中村憲剛もいる。また、浦和の田中達也も候補に急浮上している。

 誰にも負けない。必ず生き残る-。強い決意のもと、突貫小僧は不屈の精神でピッチに立ち続け、W杯出場の悲願をつかみとる。

(取材・文 近藤安弘)

※今連載ではJリーグ取材時にW杯を目指す日本代表選手を取り上げていきます

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