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悪夢の壮行試合、アジア相手に受けた"世界"の洗礼

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[5.24 キリンチャレンジ杯 日本0-2韓国 埼玉]

 W杯南アフリカ大会の壮行試合が24日、埼玉スタジアムで行われ、日本代表は韓国代表と対戦し、0-2で敗れた。韓国は前半6分、MFパク・チソン(マンチェスター・U)のゴールで先制すると、後半ロスタイムにFWパク・ジュヨン(モナコ)がPKでダメを押した。

 日本は4-2-3-1のシステムで、GK楢崎正剛、4バックは右から長友佑都、中澤佑二、阿部勇樹、今野泰幸と並んだ。中盤は長谷部誠と遠藤保仁のダブルボランチで、2列目は右から中村俊輔、本田圭佑、大久保嘉人。岡崎慎司が1トップを務めた。DF田中マルクス闘莉王が試合直前に太腿を痛めるアクシデントがあり、急きょ阿部がセンターバックで先発した。

 韓国は4-4-2で、GKチョン・ソンリョン、4バックは右からチャ・ドゥリカク・テヒイ・ジョンスイ・ヨンピョ。中盤はキ・ソンヨンキム・ジョンウのダブルボランチで、右にイ・チョンヨン、左にパク・チソンが入り、前線はイ・グノとヨム・ギフンの2トップだった。

 試合は開始6分、いきなり韓国のエースが魅せた。後方からのロングフィードのセカンドボールをパク・チソンが奪い、そのままドリブルで突進。DF3人に囲まれながらも右足で低く鋭いシュートを放つと、楢崎の目前でバウンドし、ゴール左隅に吸い込まれた。

 ワールドクラスのシュートで開始早々に出はなをくじかれた日本は、前半7分に岡崎がミドルシュートを狙うが、ゴール左へ。パス回しで微妙にタイミングがずれる場面も目立ち、韓国の厳しいチェックを受けた。球際の争いでも劣勢を強いられ、思うようなサッカーを展開できない。

 韓国は前半14分、キ・ソンヨンの左CKにキム・ジョンウがヘディングで合わせたが、ゴール左へそれる。相手のシュートミスに救われた日本。同21分、ボールをカットした今野が大久保につなぎ、大久保がそのままドリブルで持ち込んでシュートを狙ったが、枠を捉えられない。同22分にもいい形をつくり、中村俊のスルーパスをPA内右サイドで受けた長谷部が折り返し、大久保がオーバーヘッドで狙ったが、ミートし切れなかった。

 韓国の寄せの早いプレッシャーに対する焦りからか、時間とスペースに余裕のない日本はパスの精度を欠き、攻撃の組み立てもままならないまま、前半の45分間を終えた。

 韓国はハーフタイムに2人を交代。2トップを下げ、FWパク・ジュヨンとMFキム・ナミルを投入し、キム・ナミルがボランチに入り、キ・ソンヨンが左サイドへ。パク・チソンがトップ下に位置する4-2-3-1にシフトした。

 後半に入っても攻撃の糸口をつかめない日本。後半15分、後方からのロングボールを岡崎が粘ってフィニッシュにつなげたが、シュートはゴール左へ。同18分には本田がPA外から反転して左足ミドルを放つも、ゴール上に浮いた。

 日本はその直後に中村俊に代えてFW森本貴幸を投入。岡崎が2列目のサイドに下がり、森本が1トップに入った。後半27分には本田に代わってMF中村憲剛がピッチへ。森本が前線で体を張り、起点となることで徐々に韓国を押し込むが、パスの出し手と森本でタイミングが合わない。後半32分には森本が強烈なシュートを放つも、GKが抑えた。

 逆に韓国は後半33分、日本の中盤でのミスを突き、キム・ナミルが意表を突いたループシュート。ここは楢崎が好セーブを見せ、なんとかCKに逃れた。

 日本は後半34分、遠藤に代えてDF駒野友一を投入。駒野は左サイドバックに入り、今野がセンターバック、阿部がボランチにポジションを移した。

 後半44分には右サイドで中村憲が粘り、中央の森本へ。リターンパスを受けた中村の右クロスに岡崎が飛び込んだが、合わせ切れなかった。

 そして後半45分、韓国は1本のスルーパスにパク・ジュヨンが抜け出すと、楢崎に倒され、PKを獲得。これをパク・ジュヨンが自ら蹴り込み、日本の息の根を止めた。

 1-3で惨敗した東アジア選手権のリベンジを狙ったが0-2で返り撃ち。勝って自信を取り戻したかった試合は悪夢の完敗となり、W杯への希望も完全に打ち砕かれた。

(取材・文 西山紘平)

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