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日本vsイングランド 試合後の岡田監督会見要旨

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[5.30 国際親善試合 日本1-2イングランド グラーツ]

 日本代表は30日、オーストリア・グラーツでイングランド代表と強化試合を行い、1-2で逆転負けした。日本は前半7分、MF遠藤保仁の右CKからDF田中マルクス闘莉王が先制点。ところが、後半27分に闘莉王、同38分にはDF中澤佑二の連続オウンゴールで逆転された。

以下、試合後の岡田監督会見要旨

岡田武史監督
「今日の試合はイングランドということで、2つのポイントがあった。1つはディフェンスでどこまでプレッシャーをかけることができるか、裏をやられないかということ。もう1つはこの相手にボールを回して攻められるか。ディフェンスはそこそこ計算できた。ただ、今のコンディションだとしょうないところもあるが、真ん中がちょっと下がりすぎたかなと思う。前半はまあまあ行けたが、もっとできると思うし、コンディションが上がればもう少しできる。初戦に向けて道筋が見える試合をやらないといけないと思っていたが、それが見えたと思う。選手は最後までよく頑張ってくれた」

―4-1-4-1だったが、相手が2トップでも1トップでもこれを採用するのか?
「4-1-2-3のつもりだが、(相手の)両サイドが上がってくるとどうしても4-1-4-1になる。相手が1トップでトップ下が2枚だと、4-2-1-3の方がベターかなと思っている。ただ、相手がトップ下1枚なら、4-1-2-3も十分ありかなと思っている」

―GKを川島にした理由と、キャプテンを長谷部にした理由は?
「川島は練習を見ていると調子が良くて、体に伸びがある感じを受けたから。キャプテンに関しては、もうあと2週間になって、ズルズルと今までの流れを引きずるわけにはいかないので、ここで1回、そういう流れを変えるために長谷部にした。長谷部にしたのは、中堅どころとしてこのチームを引っ張っていく存在で、みんなが信頼していることと、リーダーシップを取るところがあったので彼にした」

―攻撃の手応えは?
「前半のうちは中盤で何回かボールを持って、シンプルにボールを動かしてサイドバックが上がるというのができたが、後半は押し込まれて…。遠藤と長谷部が今コンディションがあまりよくなくて、ちょっとへばってきたら、なかなか前の推進力が出なかった。彼らのコンディションが上がってくれば、タメができてサイドバックも上がるという形も、もう少しできるんじゃないかと思っている」

―国内では悪い流れだったが、この試合が転機となると思うか?
「選手にもある程度道筋が見えたと思うし、これでちょうど2週間をいい感じで過ごせるかなと。ここでもう1回、山に戻ってちょっと追い込んで、コートジボワールとやって、そこからいったん落として、最後に小さな山をつくって、初戦を迎えるといういい感じにいけるかなと思う」

―最近はメンタルに問題があったが、どんなことを選手に話したのか?
「みんなが思っているほど悪くないが、韓国戦にしてもそうだし、相手のレベルが上がった中でボール際の強さで負けてしまうと、戦術云々の前に勝てない。シュートを打たれるときにだれもスライディングをしていないとか、そういうところはメンタリティの問題なので、強いメンタリティ、1対1で負けない、日本の国を代表しているんだという気持ちを持たないといけない。スイスに来てから選手に言ったが、我々はリゾートのために来ているんじゃない、W杯で戦うために来ているんだと。韓国に負けてから、みんなに危機感がなかったので、一度厳しく言ったが、今日は選手たちもいい闘争心を持って臨んでくれた」

―後半にスタミナ切れを起こすのはコンディションが改善すれば解決するのか?遠藤を最後まで引っ張った理由は?
「コンディションが上がってくれば、あれだけ中盤の横にスペースがあったので、我々の方でもボールをつなげると思う。スタミナが最後まで持つかはだれにもわからないが、自分たちの持つ時間を長くしないと。守り切るということなら、稲本を入れたりとかあった。ハーフタイムに今日の試合を1-0で守り切ってどうするつもりだ、もう1点取りにいけと言ったが、前に行けなかった。遠藤、長谷部がへばっていたが、今、彼らに代われるだけのいいコンディション、あのポジションでのプレーができると思える選手がいなかったので、最後まで引っ張った」

―カペッロ監督が「日本は4-1-4-1をやりたいんだろうけど、実際は9-1かな」と揶揄していたが?
「彼が何を言おうと僕には関係ないし、友達だと思っていたけど、違うみたいでしたね(笑)」

―阿部の評価は?
「90分は持たないんじゃないかと正直思っていたが、90分持った。前半はルーニーが下がってきたところに行けていなかったが、後半はルーニーが下がってきたときにストッパーが行ったら(阿部)勇樹が下がる、勇樹が行ったらストッパーがステイするということができた。後半の立ち上がり、4-2-3-1に向こうがなったので楽になったが、2トップに戻してからもそういうポジショニングがよくできていたと思う」

―攻撃でスピードアップの意識、縦に入れようとする意識が国内にいたときよりも見えたが?
「シンプルにボールを動かしてという我々のサッカーでは、縦にボールが入らないと、どんどんプレッシャーをかけられる。特にサイドバックが持って、相手にかぶせられたときにすぐ行くということをこのスイスでかなり練習したので、そこはよくなった。ただ、遠藤と長谷部の足が止まり出すと、縦に入ったときのサポートがどうしても遅れて、そのあとが続かない。彼らのコンディションが上がってきて、チーム全体で押し上げる推進力が出てくれば、もう少し行けるのかなと思う」

―手応えはつかんだと思うが、結果的には逆転負け。足りないものは?
「コンディション以外にも、攻撃の連係で前に行く形がもう少し中盤でつくれないといけない。中盤で十分パスができるところでボールを受けに来ない、勝負のパスを無理矢理出している場面があったので、そのへんの精度は上げていかないいけない。失点はクロスからオウンゴールという形だが、まだ1つ前のところでのボール際が甘い。このあたりなら大丈夫だろうというのがあったが、このレベルだと大丈夫じゃない。そういうところはレベルアップしていかないといけない」

<写真>日本代表岡田監督
(取材・文 西山紘平)

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