マラドーナ監督、W杯初陣を飾る
[6.12 W杯グループリーグB組 アルゼンチン1-0ナイジェリア エリスパーク]
W杯南アフリカ大会は12日、大会2日目を迎え、ヨハネスブルクのエリスパークではアルゼンチンとナイジェリアが激突。アルゼンチンは前半6分、CKからDFガブリエル・エインセが先制点を決め、1-0で初戦を飾った。先制後もFWリオネル・メッシを中心に再三の決定機を迎えたアルゼンチンだったが、GKビンセント・エニェアマが何度となく好セーブを見せ、2点目を許さなかった。
アルゼンチンは変則的な4-4-2のシステムで、GKセルヒオ・ロメロ、4バックは右からホナス・グティエレス、マルティン・デミチェリス、ワルテル・サムエル、ガブリエル・エインセと並んだ。中盤はセンターにフアン・セバスティアン・ベロンとハビエル・マスチェラーノ、右にカルロス・テベス、左にアンヘル・ディ・マリア。前線はゴンサロ・イグアインとリオネル・メッシの2トップだったが、右サイドのテベスはFWの位置に入ることも多く、メッシが右に流れたり、中央のベロンが右寄りにポジションを取って対応した。
ナイジェリアも4-4-2で、GKビンセント・エニェアマ、4バックは右からチディ・オディア、ジョセフ・ヨボ、ダニー・シットゥ、タイエ・タイウォ。中盤はルクマン・ハルナとディクソン・エトゥフのダブルボランチで、右にサニ・カイタ、左にチネドゥ・オバシが入り、ヤクブ・アイェグベニとビクトル・オビンナが2トップを組んだ。
試合開始45秒、いきなりのドリブル突破で観衆を沸かせたメッシ。前半4分にはドリブルでPA内左サイドに切れ込み、ゴール前に丁寧なラストパス。イグアインは流し込むだけだったが、シュートは枠を外してしまった。
前半6分、高い位置でパスカットしたテベスがメッシにつなぎ、メッシはドリブルから左足を振り抜く。ここはGKの好セーブに遭ったが、このシュートで獲得したCKから先制点を奪った。ベロンの右CKに体を投げ出すダイビングヘッドを叩き込んだのはエインセ。ペナルティーマーク付近からの豪快なヘディングシュートがゴールネットに突き刺さった。
ナイジェリアは高い位置からプレッシャーにいくのではなく、DF4枚、MF4枚の守備ブロックを形成し、アルゼンチンの猛攻を正面から受け止めた。普通の国であれば、この守備組織に手を焼くのかもしれないが、相手はアルゼンチン。相手はメッシだった。
前半18分、右サイドからカットインしたメッシが再び左足でゴールを強襲。同21分にはメッシ、テベスとつないで、最後はイグアインがGKと1対1の絶好機を迎えたが、またもシュートはブロックに遭う。同37分にも再びメッシが左足で狙ったが、GKエニェアマが左手1本でかき出した。
守護神の奮闘に応えたいナイジェリアにもチャンスはあった。アルゼンチンは右サイドバックにMF登録のグティエレス、右MFにFW登録のテベスを起用。守備に難のあるアルゼンチンの右サイドは完全に穴だった。
ナイジェリアの左MFのオバシは前半3分にグティエレスの背後でボールを受け、左足でシュート。同28分にも中央での小気味いいパス回しから左サイドに展開すると、グティエレスのクリアミスを突いたオバシが再びシュートチャンスを迎えたが、シュートは枠を捉え切れなかった。
0-1で折り返したナイジェリアは後半7分、オビンナに代えてFWオバフェミ・マルティンス、同15分にはオバシに代えてMFピーター・オデムウィンギーを投入。大音量のブブゼラの後押しを受け、なんとか反撃に出るが、同16分のカウンターのチャンスもマルティンスからのラストパスを受けたカイタのシュートは大きく浮いてしまった。
アルゼンチンにも試合を決定付けるチャンスは再三あった。後半20分、カウンターからテベスがドリブルで独走。最後はメッシが左足で狙うも、わずかにゴール左へ。さらに1分後にはメッシのドリブル突破からフリーのイグアインが右足で渾身のシュートを放ったが、またしてもGKエニェアマが右手1本でセーブした。
相次ぐ決定機をものにできず、不穏な空気が流れるアルゼンチン。ナイジェリアは後半26分、左サイドから駆け上がったタイウォが際どいシュートを打つ場面はあったものの、なかなかシュートが枠に飛ばない。ビルドアップ時に簡単なミスを犯す選手には5万5686人の観衆からブーイングが飛ぶシーンもあった。
後半34分、イグアインに代えてFWディエゴ・ミリートを投入したアルゼンチン。後半36分にはメッシがワンツーでPA内に抜け出したが、シュートはまたもGKエニェアマの好守に防がれた。守護神の気迫のセーブから1分後、ナイジェリアは途中出場のMFカル・ウチェがアイェグベニとのワンツーから左足で狙う決定機を迎えたが、シュートはゴール上へ。同42分のアイェグベニのミドルシュートも浮いてしまった。
相手GKの神がかり的なセービングに阻まれたアルゼンチンと、自分たちのシュートの精度をあまりにも欠いたナイジェリア。試合はそのままセットプレーからの1点で終わり、ディエゴ・マラドーナ監督率いるアルゼンチンがW杯初陣を白星で飾った。
<写真>アルゼンチン代表マラドーナ監督
(取材・文 西山紘平)
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W杯南アフリカ大会は12日、大会2日目を迎え、ヨハネスブルクのエリスパークではアルゼンチンとナイジェリアが激突。アルゼンチンは前半6分、CKからDFガブリエル・エインセが先制点を決め、1-0で初戦を飾った。先制後もFWリオネル・メッシを中心に再三の決定機を迎えたアルゼンチンだったが、GKビンセント・エニェアマが何度となく好セーブを見せ、2点目を許さなかった。
アルゼンチンは変則的な4-4-2のシステムで、GKセルヒオ・ロメロ、4バックは右からホナス・グティエレス、マルティン・デミチェリス、ワルテル・サムエル、ガブリエル・エインセと並んだ。中盤はセンターにフアン・セバスティアン・ベロンとハビエル・マスチェラーノ、右にカルロス・テベス、左にアンヘル・ディ・マリア。前線はゴンサロ・イグアインとリオネル・メッシの2トップだったが、右サイドのテベスはFWの位置に入ることも多く、メッシが右に流れたり、中央のベロンが右寄りにポジションを取って対応した。
ナイジェリアも4-4-2で、GKビンセント・エニェアマ、4バックは右からチディ・オディア、ジョセフ・ヨボ、ダニー・シットゥ、タイエ・タイウォ。中盤はルクマン・ハルナとディクソン・エトゥフのダブルボランチで、右にサニ・カイタ、左にチネドゥ・オバシが入り、ヤクブ・アイェグベニとビクトル・オビンナが2トップを組んだ。
試合開始45秒、いきなりのドリブル突破で観衆を沸かせたメッシ。前半4分にはドリブルでPA内左サイドに切れ込み、ゴール前に丁寧なラストパス。イグアインは流し込むだけだったが、シュートは枠を外してしまった。
前半6分、高い位置でパスカットしたテベスがメッシにつなぎ、メッシはドリブルから左足を振り抜く。ここはGKの好セーブに遭ったが、このシュートで獲得したCKから先制点を奪った。ベロンの右CKに体を投げ出すダイビングヘッドを叩き込んだのはエインセ。ペナルティーマーク付近からの豪快なヘディングシュートがゴールネットに突き刺さった。
ナイジェリアは高い位置からプレッシャーにいくのではなく、DF4枚、MF4枚の守備ブロックを形成し、アルゼンチンの猛攻を正面から受け止めた。普通の国であれば、この守備組織に手を焼くのかもしれないが、相手はアルゼンチン。相手はメッシだった。
前半18分、右サイドからカットインしたメッシが再び左足でゴールを強襲。同21分にはメッシ、テベスとつないで、最後はイグアインがGKと1対1の絶好機を迎えたが、またもシュートはブロックに遭う。同37分にも再びメッシが左足で狙ったが、GKエニェアマが左手1本でかき出した。
守護神の奮闘に応えたいナイジェリアにもチャンスはあった。アルゼンチンは右サイドバックにMF登録のグティエレス、右MFにFW登録のテベスを起用。守備に難のあるアルゼンチンの右サイドは完全に穴だった。
ナイジェリアの左MFのオバシは前半3分にグティエレスの背後でボールを受け、左足でシュート。同28分にも中央での小気味いいパス回しから左サイドに展開すると、グティエレスのクリアミスを突いたオバシが再びシュートチャンスを迎えたが、シュートは枠を捉え切れなかった。
0-1で折り返したナイジェリアは後半7分、オビンナに代えてFWオバフェミ・マルティンス、同15分にはオバシに代えてMFピーター・オデムウィンギーを投入。大音量のブブゼラの後押しを受け、なんとか反撃に出るが、同16分のカウンターのチャンスもマルティンスからのラストパスを受けたカイタのシュートは大きく浮いてしまった。
アルゼンチンにも試合を決定付けるチャンスは再三あった。後半20分、カウンターからテベスがドリブルで独走。最後はメッシが左足で狙うも、わずかにゴール左へ。さらに1分後にはメッシのドリブル突破からフリーのイグアインが右足で渾身のシュートを放ったが、またしてもGKエニェアマが右手1本でセーブした。
相次ぐ決定機をものにできず、不穏な空気が流れるアルゼンチン。ナイジェリアは後半26分、左サイドから駆け上がったタイウォが際どいシュートを打つ場面はあったものの、なかなかシュートが枠に飛ばない。ビルドアップ時に簡単なミスを犯す選手には5万5686人の観衆からブーイングが飛ぶシーンもあった。
後半34分、イグアインに代えてFWディエゴ・ミリートを投入したアルゼンチン。後半36分にはメッシがワンツーでPA内に抜け出したが、シュートはまたもGKエニェアマの好守に防がれた。守護神の気迫のセーブから1分後、ナイジェリアは途中出場のMFカル・ウチェがアイェグベニとのワンツーから左足で狙う決定機を迎えたが、シュートはゴール上へ。同42分のアイェグベニのミドルシュートも浮いてしまった。
相手GKの神がかり的なセービングに阻まれたアルゼンチンと、自分たちのシュートの精度をあまりにも欠いたナイジェリア。試合はそのままセットプレーからの1点で終わり、ディエゴ・マラドーナ監督率いるアルゼンチンがW杯初陣を白星で飾った。
<写真>アルゼンチン代表マラドーナ監督
(取材・文 西山紘平)
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