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劣勢も相手が自滅。79分決勝ゴールのスロベニアがW杯初勝利!

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[6・13 10年W杯GL・C組 アルジェリア 0-1 スロベニア ピーター・モカバ]

 10年W杯は大会3日目へ突入。南アフリカ北東部のポロクワネのピーターモカバではグループリーグC組のアルジェリア対スロベニアの一戦が行われ、後半34分にMFロベルト・コレンが決めた決勝ゴールによりスロベニアが1-0で勝利。W杯初勝利を飾った。

 アルジェリアは6大会ぶり、スロベニアは2大会ぶりのW杯出場。ともにW杯出場経験者のいない両チームの対戦となった試合はアルジェリアが4-2-3-1、スロベニアが4-4-2システムでスタートする。アルジェリアはW杯予選出場1試合のGKファウジ・シャウシが先発。4バックは右からマジド・ブゲララフィク・ハリシェアンタル・ヤヒアナディル・ベルハジでダブルボランチがメフディ・ラセンとハッサン・イェブダ。右MFがフエド・カディルで左MFがカリム・ジアニ、トップ下にはカリム・マトムールが入り、1トップはラフィク・ジェブールが務めた。

 一方、スロベニアのGKはサミール・ハンダノビッチで4バックには右からミソ・ブレツコマルコ・シュレルボスティアン・セサルボヤン・ヨキッチが並んだ。中盤はコレンとアレクサンデル・ラドサブリェビッチを中央に右がアンドラス・キルムで左には10番のバルテル・ビルサ。2トップはミリボイェ・ノバコビッチと欧州予選プレーオフのロシア戦(ホーム)で決勝ゴールを決めているズラトコ・デディッチが先発した。

 前半、主導権を握ったのはアルジェリアだった。ダブルボランチが相手の攻撃を完璧に封じ込むと、再三左サイドを駆け上がる左SBナディル・ベルハジと左MFカリム・ジアニを中心にチャンスメーク。3分にはベルハジの左足FKがゴールを捉え、36分にはジアニの左CKをファーサイドのハリシェが頭で合わせた。
 一方、攻守の切り替えが遅いスロベニアは単調なクロス、ロングボールを跳ね返され効果的な攻撃を展開できない。前半終了間際に10番のビルサが立て続けに左足ミドルへ持ち込むなど徐々に持ち返したが、それでもゴールは遠かった。
 
 後半の立ち上がり、両チームともにFWを投入して均衡した展開を打開しようとするが、アルジェリア・シャウシ、スロベニアのS・ハンダノビッチの両GKがともに安定した守りを見せるなどスコアは動かない。それでもひとつの意味のないプレーにより、アルジェリアは数的不利に陥ってしまった。0-0のまま迎えた後半28分、アルジェリアは左クロスをPAでトラップしようとした途中出場のFWアブデルカデル・ゲザルがボールを意図的に手で止めてしまい警告。交代直後の後半14分にも警告を受けていたゲザルはこのプレーにより退場してしまう。

 10人となったアルジェリアはそれでも33分、敵陣中央で相手DFにプレッシャーをかけたジアニがボールをカット。だがスロベニアは素晴らしい飛び出しを見せた守護神S・ハンダノビッチが、ジアニの足先でボールをキャッチし、危険を回避する。
 その直後の34分だ。スロベニアはゴール正面左寄りの位置でパスを受けたMFコレンが右足ミドル。アルジェリアはGKシャウシがシュートコースに入ってセーブしようとするが、その手前でバウンドしたボールは加速し、シャウシの脇を抜けてそのままゴールへと吸い込まれた。

 痛恨の失点を喫してしまったアルジェリアはこの後2選手を入れ替えて反撃を試みたが、両CB中心に堅いスロベニア守備陣に穴を開けることはできず試合終了。初出場した02年大会では3戦全敗だったスロベニアがW杯初勝ち点、そして初勝利を挙げた。

(文 吉田太郎)

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