beacon

欧州対決はロッベン不在も攻撃力見せ付けたオランダが快勝

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.14 10年W杯GL・E組 オランダ 2-0 デンマーク サッカー・シティ]

 10年W杯南アフリカ大会4日目、ヨハネスブルクのサッカーシティでは日本と同じグループリーグE組の強豪同士、オランダとデンマークが激突。後半に2ゴールを決めたオランダが2-0で快勝し、初Vへ向けて好発進した。

 今大会最初の欧州対決となった試合の先発布陣はともに4-2-3-1。オランダはGKがマールテン・ステケレンブルフで4バックは右からグレゴリー・ファン・デル・ビール、ヨン・ヘイティンハ、ヨリス・マタイセンジョバンニ・ファン・ブロンクホルスト。中盤はマルク・ファン・ボメルとナイジェル・デ・ヨングのダブルボランチにトップ下がウェズレイ・スナイデル。右がディルク・カイトで左がラファエル・ファン・デル・ファールトロビン・ファン・ペルシーが1トップを務めた。
 一方、デンマークはGKがトーマス・ソーレンセン。4バックは右からラース・ヤコブセンシモン・ケアーダニエル・アッガーシモン・ポウルセン。中盤中央にクリスティアン・ポウルセンとトーマス・カーレンベルグが入り、攻撃的なポジションにデニス・ロンメダール、マルティン・ヨルゲンセン、トーマス・エネフォルトセンが並んだ。1トップは負傷欠場が噂されていたニクラス・ベントナーが先発した。

 前半は期待通りのハイレベルな攻防戦に。守備ブロックを構築し、相手の攻撃を受け止めるデンマークに対してボールを支配したオランダは、スナイデルとファン・デル・ファールトが自由に動きながらボールを引き出すと、彼らが縦へのショートパスで攻撃のスイッチを入れ、スピードアップ。 次々とワンツー、ダイレクトパスを繰り出してゴールへと近づくと、シュートレンジに入ったファン・ペルシー、ファン・デル・ファールトがマークを外してシュートへと持ち込んだ。

 押し込まれたデンマークだったが、そのカウンターの切れ味は本物。相手SBの後方を突くアーリークロスでロンメダールが抜け出し、注目のベントナーは前線で抜群のキープ力と球出しを見せる。27分にはロンメダールの右クロスをフリーのベントナーが頭で合わせ、37分にはベントナーのスルーパスに走りこんだカーレンベルクの左足シュートが鋭くゴールを捉えた。

 互いがゴールへの予感を漂わせあっていた前半。その好ゲームは意外な形で動いた。後半開始直後、左サイドで粘ったファン・ペルシーのクロスをデンマークDF陣がクリアミスし、ボールはデンマークゴールへ。好守を見せていたデンマーク守備陣が乱れ、オランダが先制点を奪った。

 先制されたデンマークだが、運動量が上がらず、形のいい攻撃を繰り出すことができない。ベントナーの高さを活かすこともできず、オーバーラップしたアッガーのミドルシュートなど攻撃は単発。スピードのあるFWイェスパー・グロンケアやMFミッケル・ベックマンらアタッカーを投入するが流れを引き寄せることができなかった。

 スローペースのデンマークに合わせたかのようにオランダもペースが上がらなかったが、それでも途中出場のFWエルイェロ・エリアが決定的な仕事をして勝負を決定付けた。左サイドで存在感を見せていたエリアは40分、スルーパスで抜け出すとループシュート。シュートはゴール右ポストを叩いたものの、跳ね返りをカイトが押し込み、2-0とした。エース格のFWアリエン・ロッベン不在も攻撃力を発揮したオランダ。欧州勢対決を快勝で制した。

(文 吉田太郎)

W杯南アフリカ大会特設ページ

TOP