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イグアインが今大会初のハットトリック!アルゼンチンが韓国を粉砕

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[6.17 W杯グループリーグB組 アルゼンチン4-1韓国 サッカーシティ]

 W杯南アフリカ大会は17日、大会7日目を迎え、ヨハネスブルクのサッカーシティではB組のアルゼンチンと韓国が激突。アルゼンチンは前半16分にFWリオネル・メッシのFKがオウンゴールを誘って先制すると、FWゴンサロ・イグアインがハットトリックと大爆発し、4-1で快勝した。

 初戦でナイジェリアに1-0で勝ったアルゼンチン。MFフアン・セバスティアン・ベロンが右ふくらはぎの故障のため先発を外れ、MFマキシ・ロドリゲスが今大会初先発となった。システムは4-4-2で、GKセルヒオ・ロメロ、4バックは右からホナス・グティエレスマルティン・デミチェリスワルテル・サムエル、ガブリエル・エインセ。中盤はダイヤモンド型で、1ボランチにハビエル・マスチェラーノ、右にマキシ・ロドリゲス、左にアンヘル・ディ・マリア、トップ下にリオネル・メッシが入り、カルロス・テベスゴンサロ・イグアインが2トップを組んだ。
 韓国は2-0で快勝したギリシャ戦からDFチャ・ドゥリに代わってDFオ・ボムソクが先発。システムは4-2-3-1で、GKチョン・ソンリョン、4バックは右からオ・ボムソク、チョ・ヨンヒョンイ・ジョンスイ・ヨンピョ。ダブルボランチがキム・ジョンウキ・ソンヨンで、2列目に右からイ・チョンヨンパク・チソンヨム・ギフンと並び、パク・ジュヨンが1トップを務めた。

 ともに初戦で勝ち点3を手にした両チームの対戦は静かな立ち上がりを見せた。2連勝で一気に決勝トーナメント進出を手繰り寄せたいが、負けて勝ち点0にも終わりたくない。特に韓国は、相手がアルゼンチンということもあり、慎重な入り方だった。

 ところが、前半16分、韓国としては不運な形で先制点を許してしまう。メッシの左サイドからのFK。ニアでクリアしようとしたパク・チソンの頭上をわずかに越えてくると、ゴール前のパク・ジュヨンの足に当たってゴールへ。GKもこれには反応し切れず、アルゼンチンがオウンゴールで先制した。

 前半21分にはアルゼンチンにもアクシデントが襲う。サムエルが左太腿裏に違和感を訴え、自らピッチの外へ出ると、いったんは戻ったが、同23分にDFニコラス・ブルディッソとの交代を余儀なくされた。

 圧倒的な攻撃力で守備の不安を補うアルゼンチン。メッシやテベスが個人技で再三、ファウルを誘い、チャンスをつくり出す。そして前半33分、左サイドからのFKをつないでマキシ・ロドリゲスがクロス。マスチェラーノがヘディングでそらしたボールをオフサイドラインぎりぎりからイグアインが頭で叩き込み、2-0とリードを広げた。

 前半44分にはメッシが魅せる。テベスのパスを受け、素早くイ・ジョンスをかわしてゴール前に迫ると、4人、5人のDFに囲まれながらも軽やかなステップでかわし、左足でシュート。しかし、惜しくもゴール右にそれた。

 このまま前半終了かと思われたロスタイム、アルゼンチンにミスが出た。韓国GKからのロングキックをパク・ジュヨンとエインセが競る。こぼれ球を拾ったデミチェリスに後方からイ・チョンヨンが素早くプレッシャーをかけ、ボールを奪うと、イ・チョンヨンはGKとの1対1から落ち着いて右足のアウトサイドで流し込み、韓国が1点を返して後半に折り返した。

 韓国は後半開始からキ・ソンヨンに代えてMFキム・ナミルを投入。ボランチの守備を強化し、アルゼンチンのトップ下に位置するメッシにはキム・ジョンウかキム・ナミルのどちらかが必ず影のようにマークに付いた。

 さらにトップ下で厳しいマークに苦しんでいたパク・チソンをプレッシャーの薄い左サイドに回し、パク・ジュヨンとヨム・ギフンが縦関係の2トップを組んだ。

 アルゼンチンは後半7分にテベスのスルーパスを受けたディ・マリアが左クロス。イグアインが合わせる決定機をつくるも、GKチョン・ソンリョンがスーパーセーブを見せた。同9分にもテベスの強烈なミドルシュートを弾いた。

 パク・ジュヨンとヨム・ギフンの2トップへのロングボールが多くなる韓国だが、その2人が前線で体を張り、しっかりとチャンスにつなげる。後半13分にはイ・チョンヨンのスルーパスにヨム・ギフンが抜け出し、GKと1対1の絶好機を迎えたが、シュートはゴール右に外れてしまった。

 アルゼンチンと対等に渡り合う韓国。粘り強いディフェンスで耐え、チャンスもつくっていた。しかし、試合を決めたのは、やはりこの男だった。

 後半31分、スルーパスに抜け出したメッシがスピードに乗ったドリブルでPA内に進入し、左足でシュート。GKも一度は左足でセーブしたが、こぼれ球を再びメッシが左足で狙うと、ポストに当たった跳ね返りをイグアインが押し込んだ。

 再び2点差とされ、韓国の集中も切れてしまったか。アルゼンチンは後半35分、華麗なパス回しからメッシが左サイドのスペースに浮き球のスルーパス。途中出場のFWセルヒオ・アグエロの左クロスをイグアインが頭で流し込み、4-1と突き放した。

 イグアインの今大会初となるハットトリックにディエゴ・マラドーナ監督もベンチ前で飛び跳ねて大喜び。直後に交代でベンチに戻ってきたイグアインを抱き寄せ、熱い抱擁をかわしていた。圧倒的な破壊力を見せつけたアルゼンチン。2連勝を飾り、決勝トーナメント進出に大きく前進した。

(取材・文 西山紘平)

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