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ドイツ24年ぶりのGL敗戦!セルビアが1点守り抜く

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[6.18 10年W杯GL・D組 ドイツ 0-1 セルビア ネルソン・マンデラ・ベイ]

 10年W杯南アフリカ大会は大会8日目の18日、ポートエリザベスのネルソン・マンデラ・ベイでグループリーグD組のドイツ対セルビアを行い、前半38分にMFミラン・ヨバノビッチが挙げた1点を守ったセルビアが1-0で勝利。今大会初勝利を挙げた。一方のドイツは24年ぶりとなるグループリーグでの敗戦。優勝候補・ドイツの黒星により、D組は混戦模様となってきた。

 オーストラリアとの初戦を4-0で快勝したドイツは初戦と同じ4-2-3-1システム、先発メンバーで試合をスタートした。GKはマヌエル・ノイアーで4バックは右からフィリップ・ラームアルネ・フリードリヒペア・メルテザッカーホルガー・バトシュトゥバー。中盤はサミ・ケディラバスティアン・シュバインシュタイガーをダブルボランチに右がトーマス・ミュラーで左がルーカス・ポドルスキ、トップ下にメスト・エジルが入り、1トップはミロスラフ・クローゼが務めた。
 一方、ガーナとの初戦を0-1で落としているセルビアは第1戦から先発3人を入れ替え、CBネベン・スボティッチとMFロシュ・ニンコビッチ、ズトラフコ・クズマノビッチが今大会初先発。ガーナ戦で採用した4-4-2システムから3ボランチの4-5-1システムへ変更した。先発はGKがウラジミール・ストイコビッチで4バックは右からブラニスラフ・イバノビッチ、スボティッチ、ネマニャ・ビディッチアレクサンダル・コラロフ。中盤は10番のデヤン・スタンコビッチをアンカーの位置に配置し、その前にニンコビッチとクズマノビッチを並べた。そして両ワイドは右がミロシュ・クラシッチで左がミラン・ヨバノビッチニコラ・ジギッチが1トップで先発した。

 前半だけで6枚のイエローカードが飛び交った激しい一戦。特にドイツのゲームメーカー、エジルを封じるためか中盤を厚くする布陣で試合に臨んだセルビアの厳しい守備が目立つ前半だった。この試合で敗れると決勝トーナメント進出の可能性がほとんどなくなってしまうセルビアは、立ち上がりから前へ出る守備を徹底し、豊富な運動量を活かして走り回るニンコビッチとクズマノビッチが絶好調のドイツ攻撃陣のリズムを崩しにかかる。

 やや主審の判定基準が厳しかったこともあったが、セルビアのペースに巻き込まれてしまったドイツはセルビア以上にカードを連発。そして37分、相手選手を後方から倒したクローゼが2枚目の警告を受けて早くも退場してしまう。

 前半半ばでのエースの離脱。数的不利を強いられたドイツが立て直す間もなくセルビアが先制ゴールを叩き込む。38分、セルビアはこの試合相手の脅威となっていたクラニッチが右サイドを縦にえぐり、クロスボール。ファーサイドで202cmの超大型FWジキッチが頭で折り返すと、ゴール目の前でフリーだったヨバノビッチが胸トラップからの左足シュートをゴールへと沈めた。

 リードを奪われたドイツはエジルやミューラーの個人技などを活かして反撃。前半ロスタイムにはケディラがクロスバー直撃の右足シュート、そして後半13分にはポドルスキが立て続けに決定的なシュートを撃ち込む。シュート精度を欠いて得点できなかったが15分、ポドルスキの左クロスをクリアしようとしたセルビアCBビディッチがPA内で痛恨のハンド。ガーナ戦同様にハンドで相手にPKを献上してしまう。
 だが、セルビアはこのピンチを守護神・ストイコビッチが救う。ポドルスキの左足シュートを左へ跳んでストップ。この試合のマン・オブ・ザ・マッチに選出されたストイコビッチのビッグセーブでセルビアは同点の危機を逃れた。

 この後、ドイツは攻撃姿勢を強めるがセルビアはカウンターからヨバノビッチがポスト直撃のシュートを放つ。ドイツは25分、エジルとミューラーに代えて初戦でゴールを決めているFWカカウとMFマルコ・マリンを投入。また32分にはDFを1枚削ってFWマリオ・ゴメスをピッチへと送り出す。
 試合終盤、前半からハイテンションなサッカーを繰り広げていたセルビアの足が止まり、ドイツは相手PAまで押し込むが決定打を撃ち込むことができない。40分を過ぎるとCBメルテザッカーを前線へ上げて1点をもぎ取りにいくが、効果的なクロスを上げることができず。スタンコビッチの守るゴールを脅かすことができないまま、ドイツは86年メキシコ大会・デンマーク戦(0-2)以来となるグループリーグでの敗戦の時を迎えた。

<写真>セルビア勝利の立役者・ストイコビッチ。PKストップなどビッグセーブが光った
(文 吉田太郎)

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