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[MOM91]仙台大FW佐藤世弥(3年)_自慢のスピードで慶應沈める

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.6 総理大臣杯全日本大学サッカートナーメント準々決勝 仙台大 3-2 慶應義塾大 堺NTC]

 まさに起死回生のゴールだった。慶應義塾大に先制されて迎えた前半の終盤、仙台大FW佐藤世弥(3年=秋田商高)は相手チームのボランチとの競り合いの中からボールを奪うと、自慢のスピードとドリブルで一気呵成にゴール前まで迫り、鋭いシュートを突き刺した。「いい形でボールを取れたから、ドリブルで抜いてシュート、しか考えてなかった」。

 1回戦では、2トップでコンビを組む奥埜博亮(3年=仙台ユース、ベガルタ仙台特別指定選手)がハットトリック。「奥埜が決めてくれてすごく助かったけど、自分もFWだから。点を取ってチームに貢献したいと思っていた」。奥埜にマークが集中するだろう展開の中、自慢のスピードで裏に抜ける機会を狙っていた。1点目は狙いどおり。スローインから得た3点目のゴールは、スピードだけではない、PAの中での佐藤の勝負強さを証明する形となった。

 だが、秋田商高時代は「裏に抜けること、スピードのことしか考えてなかった」という。今はポストプレーもこなすなど、プレーの幅も広がった。慶應義塾大戦については、2得点という結果もさることながら「今日は守備もよくがんばってくれた」と瀬川誠コーチが言うなど、前線からの厳しいプレスで守備にも貢献。まだまだ成長するのびしろを感じさせる選手だ。1、2年の頃はベンチ要員で「出してもらっても、最後のほうにちょこっとだけ」。くやしい思いもしたが、今年に入ってからようやくレギュラーに定着。それだけに「結果を出せてうれしい」と語る。

 次は、大学に入ってから初めてとなる全国大会決勝進出を賭けた戦い。関東の古豪・慶應を倒した自信を糧に「ここまできたら優勝したい」と笑顔を見せた。

(取材・文 飯嶋玲子)

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