スペインが初の決勝へ!オランダとのファイナルはどちらが勝っても初優勝に
[7.7 W杯準決勝 ドイツ0-1スペイン ダーバンスタジアム]
決勝はオランダ対スペイン! W杯南アフリカ大会は7日、ダーバンで準決勝を行い、スペインがドイツに1-0で競り勝ち、初の決勝進出を決めた。08年の欧州選手権決勝と同一カードとなった激戦は、後半28分にセットプレーからDFカルレス・プジョルが決勝点。これで11日の決勝はオランダ対スペインに決まり、どちらが勝っても初優勝となる。
ドイツは今大会4得点の20歳の新星MFトーマス・ミュラーが累積警告で出場停止のため、代わってMFピオトル・トロショフスキが右MFに入った。システムは4-2-3-1で、GKマヌエル・ノイアー、4バックは右からフィリップ・ラーム、ペア・メルテザッカー、アルネ・フリードリヒ、ジェローム・ボアテング。中盤はサミ・ケディラとバスティアン・シュバインシュタイガーのダブルボランチで、2列目は右からトロショフスキ、メスト・エジル、ルーカス・ポドルスキと並び、ミロスラフ・クローゼが1トップを務めた。
スペインも4-2-3-1で、GKイケル・カシージャス、4バックは右からセルヒオ・ラモス、ジェラール・ピケ、カルレス・プジョル、ホアン・カプデビラ。中盤はセルヒオ・ブスケツとシャビ・アロンソのダブルボランチで、トップ下にシャビ・エルナンデス。右サイドにペドロ・ロドリゲス、左サイドにアンドレス・イニエスタが入り、ダビド・ビジャが中央に位置した。今大会無得点のFWフェルナンド・トーレスは先発落ち。代わってペドロが先発した。
静かな立ち上がりとなった試合はスペインがじっくりパスを回して攻撃を組み立て、ドイツはしっかりと守備を整えてからカウンターを狙う緊迫した展開が続いた。
ボール支配率で上回るスペインは慎重に横パスをつなぎながらも、機を見た鋭い縦パスでドイツ守備陣を脅かす。前半7分、シャビのスルーパスにビジャが抜け出したが、シュートはGKノイアーが果敢に飛び出し間一髪のところでセーブ。同14分にはCKの流れからイニエスタの右クロスにプジョルが頭で合わせるも、ゴール上に浮いた。
ドイツはスペイン以上に慎重な入りだった。ブロックをつくってスペースを埋め、スペインにボールは回させてもチャンスは与えない。危険な縦パスを通されてもゴール前では守備陣が体を張り、相手が前がかりになってきたところでボールを奪えば、ここぞとばかりに速攻を狙った。
膠着状態が続く試合は前半30分にシャビ・アロンソがミドルシュート。攻めあぐねるスペインとすれば、なんとか流れを引き寄せたかったが、ドイツの堅守は崩れない。同32分にはドイツのトロショフスキもミドルシュート。ドイツはこれが初シュートだった。
前半ロスタイム、ドイツは一瞬の隙を突き、クローゼのラストパスを受けたエジルが絶妙なトラップからPA内に進入する。後ろからチェックに来たセルヒオ・ラモスと交錯して倒れたが、主審の笛は鳴らず、0-0のまま前半を折り返した。
前半からキレのあるドリブルを見せていたペドロが右サイドで起点となり、スペインが後半立ち上がりに立て続けにチャンスをつくる。後半3分、右サイドをドリブルで抜け出したペドロが2人に囲まれながらボールをキープし、中央のシャビ・アロンソにラストパス。同5分にも右サイドから細かくパスをつなぎ、最後は再びシャビ・アロンソがミドルシュートを打ったが、いずれもゴールの枠を捉え切れなかった。
ドイツは後半7分に選手を交代。ボアテングに代わってDFマルセル・ヤンセンが左サイドバックに入り、すぐに対応に動いた。
流れは徐々にスペインに傾く。パス回しから確実にフィニッシュまで持ち込む回数が増え、後半10分にはシャビの横パスを受けたビジャがミドルシュート。同13分にはカプデビラがイニエスタとのワンツーで左サイドを抜け出し、決定機をつくる。左クロスを受けたシャビ・アロンソがペドロに落とすと、ペドロの強烈な右足ミドルをGKが弾く。こぼれ球を再びシャビ・アロンソが拾い、ゴール前に走り込んだイニエスタにスルーパス。イニエスタの折り返しに滑り込んだビジャはわずかに届かなかったが、怒涛の波状攻撃でドイツを追い込んだ。
ドイツは後半17分にトロショフスキに代えてMFトニ・クロースを投入し、2枚目のカードを切る。すると後半24分、ポドルスキの左クロスに逆サイドから走り込んだクロースがフリーで右足ボレー。GKカシージャスの好セーブに阻まれたが、ドイツがようやくいい形でシュートチャンスをつくった。
徐々に激しさを増し、試合が動き出す。均衡が破れたのは後半28分。セットプレーからだった。シャビの左CKに後方から勢いよく走り込んだプジョルが強烈なヘディングシュートをゴールネットに突き刺し、スペインがついに先制点を奪った。
ドイツは後半36分、ケディラに代えてFWマリオ・ゴメスを投入し、交代枠を使い切る。中盤の枚数を減らし、前線にクローゼとゴメスを並べるパワープレーで同点ゴールを狙いに行った。
スペインも後半36分にビジャを下げ、FWフェルナンド・トーレスをピッチに送り込む。すると直後の同37分、前がかりになるドイツに対し、カウンターから決定機。ペドロが完全に右サイドを抜け出し、ドリブルで独走。ゴール前にはフェルナンド・トーレスがフリーで待っていたが、ペドロはパスを出さず、自ら仕掛けてボールを失ってしまう。絶好の追加点をチャンスを逃し、ペドロは同41分にMFダビド・シルバと交代した。
3分間のロスタイムを含めた最後の攻防はスペインがドイツの反撃をかわし、1-0で逃げ切り勝ち。同国史上初の決勝進出を決め、悲願の世界一へあと1勝となった。
(取材・文 西山紘平)
▼関連リンク
W杯南アフリカ大会ページ
決勝はオランダ対スペイン! W杯南アフリカ大会は7日、ダーバンで準決勝を行い、スペインがドイツに1-0で競り勝ち、初の決勝進出を決めた。08年の欧州選手権決勝と同一カードとなった激戦は、後半28分にセットプレーからDFカルレス・プジョルが決勝点。これで11日の決勝はオランダ対スペインに決まり、どちらが勝っても初優勝となる。
ドイツは今大会4得点の20歳の新星MFトーマス・ミュラーが累積警告で出場停止のため、代わってMFピオトル・トロショフスキが右MFに入った。システムは4-2-3-1で、GKマヌエル・ノイアー、4バックは右からフィリップ・ラーム、ペア・メルテザッカー、アルネ・フリードリヒ、ジェローム・ボアテング。中盤はサミ・ケディラとバスティアン・シュバインシュタイガーのダブルボランチで、2列目は右からトロショフスキ、メスト・エジル、ルーカス・ポドルスキと並び、ミロスラフ・クローゼが1トップを務めた。
スペインも4-2-3-1で、GKイケル・カシージャス、4バックは右からセルヒオ・ラモス、ジェラール・ピケ、カルレス・プジョル、ホアン・カプデビラ。中盤はセルヒオ・ブスケツとシャビ・アロンソのダブルボランチで、トップ下にシャビ・エルナンデス。右サイドにペドロ・ロドリゲス、左サイドにアンドレス・イニエスタが入り、ダビド・ビジャが中央に位置した。今大会無得点のFWフェルナンド・トーレスは先発落ち。代わってペドロが先発した。
静かな立ち上がりとなった試合はスペインがじっくりパスを回して攻撃を組み立て、ドイツはしっかりと守備を整えてからカウンターを狙う緊迫した展開が続いた。
ボール支配率で上回るスペインは慎重に横パスをつなぎながらも、機を見た鋭い縦パスでドイツ守備陣を脅かす。前半7分、シャビのスルーパスにビジャが抜け出したが、シュートはGKノイアーが果敢に飛び出し間一髪のところでセーブ。同14分にはCKの流れからイニエスタの右クロスにプジョルが頭で合わせるも、ゴール上に浮いた。
ドイツはスペイン以上に慎重な入りだった。ブロックをつくってスペースを埋め、スペインにボールは回させてもチャンスは与えない。危険な縦パスを通されてもゴール前では守備陣が体を張り、相手が前がかりになってきたところでボールを奪えば、ここぞとばかりに速攻を狙った。
膠着状態が続く試合は前半30分にシャビ・アロンソがミドルシュート。攻めあぐねるスペインとすれば、なんとか流れを引き寄せたかったが、ドイツの堅守は崩れない。同32分にはドイツのトロショフスキもミドルシュート。ドイツはこれが初シュートだった。
前半ロスタイム、ドイツは一瞬の隙を突き、クローゼのラストパスを受けたエジルが絶妙なトラップからPA内に進入する。後ろからチェックに来たセルヒオ・ラモスと交錯して倒れたが、主審の笛は鳴らず、0-0のまま前半を折り返した。
前半からキレのあるドリブルを見せていたペドロが右サイドで起点となり、スペインが後半立ち上がりに立て続けにチャンスをつくる。後半3分、右サイドをドリブルで抜け出したペドロが2人に囲まれながらボールをキープし、中央のシャビ・アロンソにラストパス。同5分にも右サイドから細かくパスをつなぎ、最後は再びシャビ・アロンソがミドルシュートを打ったが、いずれもゴールの枠を捉え切れなかった。
ドイツは後半7分に選手を交代。ボアテングに代わってDFマルセル・ヤンセンが左サイドバックに入り、すぐに対応に動いた。
流れは徐々にスペインに傾く。パス回しから確実にフィニッシュまで持ち込む回数が増え、後半10分にはシャビの横パスを受けたビジャがミドルシュート。同13分にはカプデビラがイニエスタとのワンツーで左サイドを抜け出し、決定機をつくる。左クロスを受けたシャビ・アロンソがペドロに落とすと、ペドロの強烈な右足ミドルをGKが弾く。こぼれ球を再びシャビ・アロンソが拾い、ゴール前に走り込んだイニエスタにスルーパス。イニエスタの折り返しに滑り込んだビジャはわずかに届かなかったが、怒涛の波状攻撃でドイツを追い込んだ。
ドイツは後半17分にトロショフスキに代えてMFトニ・クロースを投入し、2枚目のカードを切る。すると後半24分、ポドルスキの左クロスに逆サイドから走り込んだクロースがフリーで右足ボレー。GKカシージャスの好セーブに阻まれたが、ドイツがようやくいい形でシュートチャンスをつくった。
徐々に激しさを増し、試合が動き出す。均衡が破れたのは後半28分。セットプレーからだった。シャビの左CKに後方から勢いよく走り込んだプジョルが強烈なヘディングシュートをゴールネットに突き刺し、スペインがついに先制点を奪った。
ドイツは後半36分、ケディラに代えてFWマリオ・ゴメスを投入し、交代枠を使い切る。中盤の枚数を減らし、前線にクローゼとゴメスを並べるパワープレーで同点ゴールを狙いに行った。
スペインも後半36分にビジャを下げ、FWフェルナンド・トーレスをピッチに送り込む。すると直後の同37分、前がかりになるドイツに対し、カウンターから決定機。ペドロが完全に右サイドを抜け出し、ドリブルで独走。ゴール前にはフェルナンド・トーレスがフリーで待っていたが、ペドロはパスを出さず、自ら仕掛けてボールを失ってしまう。絶好の追加点をチャンスを逃し、ペドロは同41分にMFダビド・シルバと交代した。
3分間のロスタイムを含めた最後の攻防はスペインがドイツの反撃をかわし、1-0で逃げ切り勝ち。同国史上初の決勝進出を決め、悲願の世界一へあと1勝となった。
(取材・文 西山紘平)
▼関連リンク
W杯南アフリカ大会ページ
- #シャビ・アロンソ
- #ジェローム・ボアテング
- #トニ・クロース
- #カルレス・プジョル
- #ピオトル・トロショフスキ
- #ホアン・カプデビラ
- #フェルナンド・トーレス
- #フィリップ・ラーム
- #イケル・カシージャス
- #マリオ・ゴメス
- #ミロスラフ・クローゼ
- #ジェラール・ピケ
- #メスト・エジル
- #アンドレス・イニエスタ
- #ペア・メルテザッカー
- #シャビ・エルナンデス
- #ルーカス・ポドルスキ
- #マルセル・ヤンセン
- #セルヒオ・ブスケツ
- #ダビド・ビジャ
- #セルヒオ・ラモス
- #トーマス・ミュラー
- #マヌエル・ノイアー
- #ペドロ・ロドリゲス
- #バスティアン・シュバインシュタイガー
- #ダビド・シルバ
- #サミ・ケディラ