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川崎F・今季初出場のジュニーニョが決勝弾! 京都を下しJ1通算100勝達成

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[7.25 J1第14節 川崎F1-0京都 等々力]
 J1第14節は25日に2日目が行われ、神奈川・等々力陸上競技場では暫定8位の川崎フロンターレと同最下位の京都サンガF.C.が対戦した。この試合はW杯の決勝戦で第4の審判員を務めるなど日本人で初めて4試合を担当した西村雄一氏が主審を務めた。試合は怪我から復帰し、今季初出場となった川崎Fのエースジュニーニョがゴールを決め、1-0で5試合ぶりの勝利。川崎FはJ1通算100勝目をホームで飾った。
 川崎Fは日本代表MF稲本潤一が出場停止だったが、右太股痛でスタメン落ちの可能性もあったDF伊藤宏樹が先発し、度重なる怪我で長期離脱していたFWジュニーニョが初のベンチ入りを果たした。システムは4-4-2を採用。GKは相澤貴志、DFラインは右から伊藤宏樹、井川祐輔、菊地光将、小宮山尊信。中盤はボランチが中村憲剛と谷口博之、右MFは田坂祐介、左MFはヴィトール・ジュニオールが入った。2トップはレナチーニョと黒津勝が組んだ。
 対する京都は左膝痛で離脱していたDF郭泰輝が復帰し、ベンチスタート。システムは3-4-3を採用しGKは平井直人、3バックは右から水本裕貴、増嶋竜也、森下俊が務めた。中盤はボランチが角田誠と安藤淳、右WBが渡邉大剛、左WBが中村太亮が入った。前線は宮吉拓実を真ん中に右下にディエゴ、左下にドゥトラを配置した。
 前半序盤は、縦に速く仕掛ける京都のペースとなった。前線の3人が個人技と突進力を発揮して押し込んだ。前半3分、ドゥトラがドリブルで仕掛けて右足シュート。同8分には左サイドを宮吉が突破し、最後はディエゴが得意の左足でシュートしたが、いずれもゴールには結びつかなかった。
 京都の勢いは続く。前半10分にはドゥトラがPA左で浮き球スルーパス。これを中村が押し込もうとしたが、ギリギリでGK相澤の飛び出しに防がれた。同15分には水本がCKにフリーで飛び込みヘディングシュート。だがこれは枠を外してしまった。流れのいいときに得点が奪えず、京都サポーターからはため息が漏れていた。
 川崎Fは中村憲剛のパスを起点にサイド攻撃、カウンターでリズムを掴み始める。バイタルエリアこそ攻略しきれないが、前半14分にはレナチーニョ、同19分にはヴィトール・ジュニオールがPA手前からミドルシュートを放つ。いずれもいいシュートだったが、GK平井のセーブにあった。
 前半33分には川崎Fが絶好機を迎える。左サイドをパス交換で崩し、最後は小宮山が左クロス。これをヴィトール・ジュニオールが“ドンピシャヘッド”で合わせるが、何と枠を外してしまった。前半はその後、一進一退の攻防が続き0-0で折り返した。
 ハーフタイム、この日は川崎市民の歌手、西城秀樹が登場。ヤングマンなどを熱唱して会場を盛り上げ、選手たちにゲキを飛ばした。後半、京都はドゥトラに代えて元日本代表FW柳沢敦を投入した。
 後半序盤、お互いにやや間延びし、中盤ではつなげるが、最終ラインを崩しきれない展開が続く。そんな中、後半最初の決定機を迎えたのは京都だった。中央から宮吉がドリブルで仕掛けて右サイドへ。渡邉が縦に抜けてクロスを入れると、ディエゴが飛び込んだが、ニアに走りこんだ選手が影となりボールが見えなかったのか、ヘディングをミスしてしまった。
 川崎Fは後半17分、谷口に代えてついに、帰ってきたエースジュニーニョを投入。1点を奪いに行った。ジュニーニョは得意のドリブルで切り込み、何とかチャンスを作ろうとする。同21分、仕掛けて左足でシュートを放つが、これはGK平井の正面をついた。その後も2列目に引いたり、サイドに開いたりしてボールを受け、これまでのうっ憤を晴らすかのようにドリブルで仕掛けるが、なかなかゴールは割れなかった。
 川崎Fは後半32分、田坂に代えてMF楠神順平を投入。ドリブルとスピードが武器のアタッカーを入れ、バイタルエリアの攻略を狙った。京都は同33分、疲れが見え始めていた宮吉に代えて加藤弘堅を投入した。
 その後ともに攻めあぐねたが、後半44分、ついに川崎Fが均衡を破った。それもエースが決めた。中村憲剛が中央やや右にロングフィードし、これを受けた楠神がドリブルで中へ仕掛けてスルーパス。ジュニーニョは左足でシュートし、GKの手を弾きながらゴールに沈めた。ジュニーニョは今季初出場初ゴールとなった。
 ロスタイムに入り、川崎Fは柳沢に突破されて左足でシュートされるが、間一髪で相澤がセーブした。何とか逃げ切り、川崎Fは5試合ぶり勝利で、J1通算100勝を達成した。
<写真>決勝点を決めた川崎F・FWジュニーニョ
(取材・文 近藤安弘)

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