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川崎Fが優勝戦線生き残る。広島を下し“不敗神話”を継続!

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[8.15 J1第18節 川崎F2-0広島 等々力]

 J1第18節は15日に3日目が行われ、神奈川・等々力陸上競技場では川崎フロンターレサンフレッチェ広島が激突したが、川崎Fが後半に2点を奪って2-0勝利。勝ち点を32に伸ばし、G大阪を抜き返して4位をキープした。広島とは2005年5月から公式戦11戦(7勝4分け)負けなしに。首位名古屋とは勝ち点差6と、優勝戦線にも踏み止まった。

 川崎Fは起用法に不満を漏らしたFWレナチーニョがベンチ外だった。システムは4-4-2でGKは相澤貴志、DFラインは右から森勇介、井川祐輔、菊地光将、小宮山尊信。中盤はボランチが稲本潤一と中村憲剛の日本代表コンビ、2列目は右を田坂祐介、左をヴィトール・ジュニオールが務めた。2トップはエースのジュニーニョと黒津勝だった。

 対する広島は怪我で離脱したMFミキッチに代わり、怪我から復帰した元日本代表MF山岸智が7試合ぶりに先発で復帰した。システムは3-6-1でGKは西川周作、3バックは右から森脇良太、ストヤノフ、槙野智章。中盤はボランチが出場停止明けの中島浩司と横竹翔、右WBは山岸智、左WB服部公太、2列目は桑田慎一朗と森崎浩司が入った。1トップは佐藤寿人が務めた。

 気温31.9度、湿度65%の猛暑の中で行われた一戦。序盤からともにパスミスが目立った。それでも2000年3月を最後に10年ぶりの“等々力勝利”&2005年4月以来公式戦11試合ぶりの川崎F戦勝利を目指す広島が、得意のパス回しでやや中盤で主導権を握る。そして前半11分、サイドチェンジから左の服部が受け、最後は攻撃参加していた槙野がPA左を侵入。しかし、ドリブルが大きくシュートまでいけなかった。

 川崎Fは持ち味のカウンターで仕掛ける。前半15分にはV・ジュニオールがミドルシュート。強烈な一撃だったが、広島GK西川がしっかりとパンチングして弾いた。直後、川崎Fがラッキーな形でチャンスを迎える。バックパスをGK西川がトラップミス。黒津がプレッシャーをかけるとボールがこぼれ、PA右外で拾ったジュニーニョが直接狙った。しかし、精度を欠いて大きく枠を外した。

 その後、広島が持ち前のパスワークで再びリズムを奪い返した。前半27分、ゴール前で森崎が倒されて得たFKをストヤノフが直接狙う。コースはまずまずだったが、GK相澤にセーブされた。その4分後にも再びゴール正面でFKをゲット。今度は森崎が左足で狙い、コースは良かったが、再びGK相澤の好セーブに防がれた。

 川崎Fは前半31分、黒津が快足を活かして突進、GKと1対1になりかけたが、ドリブルが大きくクリアされた。その4分後には、再びゴール前で黒津が受け、PA外正面からシュートを放つが、わずかに精度を欠いて決められなかった。結局、前半は0-0で折り返した。

 後半、広島は山岸に代えてMF丸谷拓也を入れた。川崎Fはメンバー交代がなかった。後半も暑さは衰えることなく、どちらもミドルシュートやセットプレーで好機を作りたい展開。そんな中、川崎FがMF田坂祐介のビューティフルゴールで先制に成功した。

 後半9分、V・ジュニオールが右サイドから左の田坂へサイドチェンジ。田坂はそのままドリブルで仕掛け、PA左45度から右足を振り抜き、ややカーブをかけたボールで右上隅にぶち込んだ。田坂にとっては今季初ゴールだった。

 これで川崎Fが勢いに乗った。速い攻撃で広島守備網を崩しにかかる。後半16分、V・ジュニオールの左クロスに黒津が飛び込んで頭を合わせる。これは惜しくもジャストミートできなかったが、黒津は勢い余って左ポストに背中をぶつけた。幸い怪我はなく、ピッチに戻った。

 相性の悪い川崎Fに何とか勝利をつかみたい広島は、後半16分に森崎に代えてFW李忠成を投入。2列目に据えた。しかし、川崎Fからリズムを奪い返せない。同20分、川崎Fは中村憲剛のスルーパスにジュニーニョがPA左を抜け出し、左足でシュート。しかし、これはわずかに右に外れた。

 後半21分、川崎Fが大きな追加点を奪った。左サイドから中村憲剛が絶妙クロス。これをファーサイドでヴィトール・ジュニオールが頭で合わせて2-0とリードを広げた。その後、広島はゴールを奪いに攻勢に出たが、川崎Fはそれを逆手にとってカウンターを狙った。

 試合は後半終盤に差し掛かると、川崎Fがどんどん選手を交代させた。後半28分には憲剛からMF木村祐志を、同32分には稲本からMF横山知伸を、同34分にはジュニーニョからMF楠神順平を投入。連戦で疲れがたまっている主力を早めに代えた。

 広島はあきらめない。1・5列目だった李を完全にFWの位置に上げて佐藤寿人との2トップにし、1点を奪いに行った。さらにはリベロのストヤノフも攻撃参加させた。後半42分、佐藤がミドルシュートのこぼれ球に反応し、PA内でシュートを放つが、わずかに左に外れた。

 川崎Fは最後まで集中力を切切らさなかった。横山、楠神ら代わって入った選手も奮闘し、攻守でしっかりとプレーした。ロスタイムは3分あったが、そのまま逃げ切り川崎Fが2-0で、相性のいい広島を下した。これで等々力での対広島戦に10年負けなし! そして対広島戦にナビスコ杯を含めて11戦7勝4分けと“不敗神話”を守った。

<写真>決勝戦を決めた川崎F・MF田坂
(取材・文 近藤安弘)

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