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川崎Fは田坂の“恩返し弾”で勝利。次戦、勝ち点6差で首位名古屋と激突

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[8.15 J1第18節 川崎F2-0広島 等々力]
 川崎フロンターレが逆転優勝に向け、相性のいい広島からきっちりと勝ち点3を奪った。GK川島永嗣、FW鄭大世が移籍した影響かJ再開後、ここまで2勝2分け1敗だったが、勝ち越して4位をキープ。首位・名古屋と勝ち点6差で、次節18日の直接対決に持ち込めることになった。
 キーマンのFWレナチーニョが起用法に不満を漏らしてメンバーから外れた中、殊勲弾を決めたのはMF田坂祐介だった。0-0で迎えた後半9分、左サイドでボールを受けてドリブル突進し、PA左45度から華麗にゴール右上隅に決めた。田坂にとって今季初ゴールは、少し古いかもしれないが元イタリア代表FWアレッサンドロ・デル・ピエロを彷彿とさせる一撃だった。
 「ゴールが見えたら打とうと思っていた。イメージ通りです。いい形で先制点を決められて良かった。今年はまだ取っていなかったので、とにかく1点がほしかった。うれしいです」
 このゴールで、気温31.9度という猛暑の中でも川崎Fが勢いに乗った。縦に速い攻撃が完全によみがえり、後半21分にはヴィトール・ジュニオールが追加点。田坂は「なかなか取れなかったけど、自分が取れて、チームが勢いに乗れたと思う」と胸を張った。
 田坂は昨年10月の7-0勝利時に続く、広島戦の連弾となった。「いつも以上に強い気持ちで臨んでいたのは確かです」と振り返ったが、田坂は広島市生まれで、広島ジュニアユース、広島ユースの出身だ。だが、トップには昇格できず、青山学院大に進学した。大学での活躍が認められ、川崎F入団をつかんだ。広島時代には「ハングリーさを学んだ。寮生活で拘束された中で生活をしたので(笑)」と売りのテクニックに加え、精神力を学んだという。まさに2試合連続の“恩返し弾”となった。
 次戦18日は首位の名古屋とホームで戦う。2点目をアシストしたMF中村憲剛は「ホームで勝ち点3取れたのは大きい。アウェーでも勝ち点を拾えるようになっている。相手は首位だけど、しっかりと戦い」と闘志を燃やした。レナチーニョが復帰するかは不明だが、若手がゴールを決め、その上、完封勝利したことは大きい。田坂は「ホームだし、地の利を活かして絶対に勝ちたい」と早くも次の“標的”を見据えていた。
<写真>決勝戦を決めた川崎F・MF田坂
(取材・文 近藤安弘)

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