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広島は川崎Fに5年11試合未勝利。その理由は……

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[8.15 J1第18節 川崎F2-0広島 等々力]
 川崎フロンターレサンフレッチェ広島との一戦は、これでナビスコ杯2試合を含めて公式戦7勝4分けと、川崎Fが11試合負けなしとした。昨年10月にはホームで7-0、今年4月には敵地で3-0と3連勝を飾った。
 川崎Fが最後に広島に負けたのは、2005年4月のアウェー戦(1-2)と5年以上も前になる。ホーム等々力での戦績も、初対戦となった2000年3月に0-1で敗れて以来、10年間、8試合負けなしとなった。
 広島はこの数字を強く意識。優勝争いに生き残りたいという思いもあり、何とか川崎F撃破をもくろんだ。しかし、後半は川崎Fに攻め込まれて2失点。MF山岸智の負傷交代があったとはいえ、苦手意識を払拭できなかった。
 MF森崎浩司は「苦手意識とかはない。それをもって戦ったら、最初から負けていることになりますから」と苦手意識があることを否定した。DF槙野智章も「苦手意識はあまりない」といい、「この一戦にかける思いは強かった」と振り返っている。
 では、なぜ、勝てない試合が続くのか。明確な理由はなかなか見つけられないが、相手の川崎FのMF中村憲剛が分析してくれた。「よくわからないけどね」と前置きしつつ、「(別のチームとの試合より)向こうが引けていると感じる。カウンターになっても、あまり人数をかけて攻めてこない。5バックになっているときもある」と振り返った。
 川崎Fはジュニーニョらスピードのある外国人選手を中心に、縦に速い攻撃を得意とする。これを意識するあまり、持ち味のリスクを冒したパスワークが半減したのだろう。カウンターを食らうのが嫌だからだ。槙野は「もっと当たりに行かないと行けなかったと思う。受けてしまった。相手はパスミスを狙っていた」と口にしている。
 ペトロビッチ監督は「今日の試合は川崎Fが素晴らしいゲームをして、勝つべくして勝った、そういったゲームだったと思う。我々が良いゲームができていなかったのも事実です。今日のゲームは、やはりミスがとても多かったし、運動量も少なかった」と嘆いた。
 それでも指揮官は、「我々にはこのサッカー以外にない。ディフェンスを重視して相手の良さを潰すだけのサッカーだけができるチームではない」と言い、今後も攻撃サッカーを貫いて上位進出を狙うことを誓っていた。このスタイルを貫いて、天敵撃破につなげる。
(取材・文 近藤安弘)

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