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香川弾で新生ジャパンが初陣勝利!184分目の先制点でパラグアイにリベンジ!!

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[9.4 キリンチャレンジ杯 日本1-0パラグアイ 日産ス]

 新生日本代表がMF香川真司(ドルトムント)の決勝点で初陣勝利を飾った。アルベルト・ザッケローニ新監督がスタンドから視察する中、日本代表はパラグアイ代表と対戦。6月29日の南アフリカW杯決勝トーナメント1回戦でPK戦の末に敗れた相手との再戦は後半19分に香川が決勝点を決め、1-0で雪辱を果たした。日本は7日に大阪・長居スタジアムでグアテマラ代表と対戦する。

 W杯では4-3-2-1の守備的布陣で戦った日本だが、この日は4-2-3-1のシステムを採用した。MF本田圭佑がトップ下に入り、1トップはFW森本貴幸。MF細貝萌が先発でA代表デビューを果たした。
 パラグアイはW杯と同じ4-3-3のシステムで、W杯メンバー9人が先発。日本戦に先発したGKビジャル、DFダ・シルバ、DFアルカラス、MFベラ、MFオルティゴサ、FWサンタクルス、FWバリオスの7人も先発メンバーに名を連ねた。
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 立ち上がりから日本がいいリズムで試合を進めた。ボランチに入ったMF中村憲剛が左右にパスを散らしてゲームを組み立て、MF松井大輔、MF香川真司の両翼が積極的にドリブルで仕掛けた。

 前半10分には早くも見せ場が訪れる。ゴールまで約25m、右45度の位置でFKを獲得すると、ポイントに立ったのは本田。左足で直接狙ったブレ球シュートはゴール前でワンバウンドし、ゴールを襲ったが、GKビジャルが左手1本でセーブした。

 前半16分、中村からの大きなサイドチェンジを受けた本田が左サイドから縦に仕掛け、ゴール前にクロス。これは惜しくも松井に合わなかったが、このプレーでCKを獲得すると、中村の右CKからDF栗原勇蔵が打点の高いヘディングシュートを放つなどチャンスをつくった。

 パラグアイも徐々に落ち着きを見せ始め、日本を押し返す。前半18分、中盤で中村からボールを奪ったFWカマチョがそのままドリブルで切れ込み、PA内に進入。DF中澤佑二もかわされたが、細貝がカバーし、ピンチを逃れた。

 流れはパラグアイに傾いていく。前半22分、右サイドからベラが中央に入れたボールをサンタクルスがスルー。カマチョがダイレクトでゴール前に流し、サンタクルスが右足で狙ったが、シュートはミートし切れなかった。

 日本のバイタルエリアで起点をつくるパラグアイは中央からサイドに展開し、チャンスをうかがう。前半24分には左クロスからバリオスが決定的なヘディングを放つなどゴールを狙った。

 中村、細貝のボランチでリズムをつくれなくなった日本は劣勢を強いられるが、前線の4人が個人技と細かい連係でチャンスをつくる。前半35分、ロングフィードを本田が受けると、素早く前を向いて右サイドに展開。サイドに開いていた森本が中央に走り込む香川にラストパスを送ったが、DFがカバーに入り、惜しくもシュートまでは持ち込めなかった。

 0-0で折り返した後半開始30秒、パラグアイがいきなりビッグチャンスをつかむ。バリオスのシュートは長友がブロックしたが、こぼれ球をMFサンタナがミドルシュート。フリーで打ったシュートだったが、わずかにゴール右にそれた。

 日本は本田、香川が個人技でチャンスをつくる。後半4分、PA内で本田からパスを受けた香川がドリブルで切り返し、ゴールに向かうが、DFがスライディングでなんとかカット。同7分には本田が左サイドからカットインし、右足でミドルシュートを狙った。

 後半10分にはセンターライン付近でボールを持った香川が素早く前を向き、右サイドに絶妙なスルーパスを通したが、DF内田篤人のクロスはDFに当たってしまう。同11分にも香川は中央をドリブルでこじ開けてシュートまで持ち込むなど躍動した。

 いい流れの間に先制点を決めたい日本は後半15分、森本に代えてFW岡崎慎司を投入し、最初のカードを切る。すると、同19分、じっくりパスを回して相手を揺さぶりながら中村が岡崎の空けたスペースに鋭いスルーパス。これに反応した香川はワンタッチでスペースにボールを運び、右足を振り抜く。GKの手をかすめて右ポストに当たったボールはそのままゴールラインを割った。

 延長戦を含めた120分間を戦い、0-0のままPK決着となったW杯でのパラグアイ戦。実に184分目で生まれた先制点は、W杯でサポートメンバーにとどまり、悔しい思いを味わった香川の右足からだった。

 日本は先制直後の後半20分、松井に代わってMF藤本淳吾がピッチに入る。同22分には栗原のミスからピンチを招き、バリオスに決定的なシュートを放たれたが、GK川島永嗣がビッグセーブ。このプレーで栗原は足を痛め、DF岩政大樹と交代した。

 後半29分には左サイドを駆け上がった長友のクロスに岡崎が飛び込むなど、追加点を狙う日本。後半33分には本田に代えてMF橋本英郎を投入。橋本は左サイドに入り、香川がトップ下に移った。

 守備陣も粘り強く守り、後半39分にはセットプレーからピンチを招くも、ゴールライン上にいた中村がヘディングでクリア。同44分に内田に代えてDF槙野智章、同45分に香川に代えてDF駒野友一を投入し、逃げ切りを図ると、終盤のパラグアイの猛攻も守備陣が体を張ってしのぎ、1-0で逃げ切った。

 W杯でベスト8の夢を阻まれ、涙をのんだ相手へのリベンジ達成。香川は試合直後のインタビューで「W杯で負けていたので、その借りを返せてよかった。自分はW杯に出れなくて悔しい思いをしたので、すごい気合いは入っていたし、それが結果につながってよかった」と素直に喜んだ。6万5157人の観衆がつめかけた新生ジャパン初陣。4年後のブラジルW杯へ、幸先良い白星スタートを切った。

<写真>後半19分、MF香川(11番)が決勝点を決める
(取材・文 西山紘平)

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