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[MOM106]慶應義塾大DF田中奏一(3年)_攻守に渡り、みせつけた存在感

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.15 第84回関東大学サッカーリーグ戦・後期1部リーグ第13節 順天堂大0-0慶應義塾大 西が丘サッカー場]

 7位順天堂大と9位慶應義塾大の一戦は、スコアレスドローで終わった。降格圏内がわずか勝ち点2差で見えている慶應義塾大は、なんとしてでも白星の欲しい中で迎えた試合だった。しかし、幾度奪っても自分たちでボールを失い、自滅。試合後、前線の選手たちからは「つながらなすぎた」と反省の弁が多く聞かれた。

 それでも、なんとか無失点で勝ち点1を手に入れた意味は大きい。そんな試合で奮闘をみせたのはDF田中奏一(3年=FC東京U-18)だった。

 順天堂大が2トップを的に縦パスを狙ってくるのに対して、体を張った守備をみせた。前半はCBとの連携が足りず。出遅れる場面もあったが、後半に入ってからは両CBとともに相手FWをつぶし、攻撃の目を摘んだ。ボールのつながらない攻撃陣を見かねて「前が点を取れないんだったら自分が取る」という意気込みで、攻撃参加もみせたが0-0という結果に終わり、「勝ち点3が欲しかったから、本当に悔しい」とその表情を曇らせた。

 SBを任されているDFの田中だが、決して守備の人ではない。「攻守における1対1で絶対に負けたくない」と強く語り、「もっと攻守においての存在感を出したい。攻撃では積極的に。守備ではバランスよく、もっと奪いたい」と自身の目標とするスタイルを話す。

 慶應義塾大には中盤と前線に大学リーグでもトップクラスの2人、全日本大学選抜のFW河井陽介(3年=藤枝東高)とU-19日本代表のMF藤田息吹(2年=藤枝東高)がいる。彼らが前線で上手くいかず、苦しいとき、後ろから駆け上がってくる田中の存在は間違いなく頼もしいはずだ。

 今後もしばらくは降格圏を意識した戦いを強いられる。チームのピンチには積極的な攻撃と果敢な守備を武器に田中が躍動をみせてくれるだろう。

(取材・文 片岡涼)
連載:大学マン・オブ・ザ・マッチ

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