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[MOM334]広島ユースDF越智翔太(3年)_準決勝欠場の思いぶつけるV弾2発

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.11 全日本ユース(U-18)選手権決勝 広島ユース 2-1 F東京U-18 埼玉]

 9日の準決勝は自身の大学受験のため欠場。チームが決勝進出したことを確認してから「うれしかったのと『やらなきゃいけない』という気持ちで」上京したというDF越智翔太が、その2日後、2得点でチームを日本一へ導いた。

 この日は定位置である3バックの右サイドで先発。0-1の前半ロスタイム、MF浅香健太郎の左クロスを「出るときは躊ちょない」という背番号2がファーサイドまで駆け上がり、そして頭でゴールへと押し込んだ。チームが連れて来てくれた決勝の舞台で大仕事をしてのけたが、それだけでは止まらなかった。

 後半14分だ。右CKのこぼれ球にゴールエリアで反応したのは再び越智。元アタッカーがダイレクトで左足を振りぬくと、チームに再び歓喜が訪れた。決勝トーナメント1回戦のC大阪戦でチームが試みたゴールパフォーマンスは「引いた」ためこの日も封印。それでもチームメートたちと素直に喜びを分かち合った。

 「負ける気がしなかった」。高校年代日本一を懸けた決勝を越智はそう振り返った。6試合でわずか1失点のF東京U-18にリードされても全くその気持ちは変わらなかった。そして「みんなよりも気持ちが入っていた」というDFは、守備でも気持ちを切らさずチームのために戦い続ける。

 前半から好守を見せていたDFは後半40分、GKのDFラインの間に送られたグラウンダーのラストパスを体を投げ出すかのようなスライディングでストップ。F東京U-18にとって後半最大のチャンスに映ったこの場面を防いだのは、準決勝の分も合わせてチームに貢献しようとしていた越智だった。

 この日ゲームキャプテンを務めたMF早瀬良平の交代に伴い、試合終了間際からキャプテンマークを巻いていた越智。優勝した瞬間を「何が何だか分からなかった」と振り返ったこの日のヒーローは、チームの代表として埼玉スタジアムの表彰台で高円宮杯を空高く掲げてチームとともに歓喜に浸った。

(取材・文 吉田太郎)

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