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日韓戦は互いに譲らずスコアレスドロー、守備陣はアルゼンチン戦に続く無失点

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[10.12 国際親善試合 韓国0-0日本 ソウル]

 韓国との伝統の一戦はスコアレスドローに終わった。日本代表は韓国のソウルワールドカップスタジアムで韓国代表と対戦。アルベルト・ザッケローニ監督の初陣となった8日のアルゼンチン戦で1-0勝利の大金星を飾った日本は、敵地で得点こそ奪えなかったが、守備陣が韓国の攻撃を粘り強く跳ね返し、0-0で引き分けた。

 日本はアルゼンチン戦と同じ4-2-3-1のシステムで、先発4人が入れ替わった。アルゼンチン戦で負傷し、代表を離脱したFW岡崎慎司、GK川島永嗣に代わってFW松井大輔、GK西川周作が先発。右SBはDF内田篤人に代わってDF駒野友一、1トップにはFW森本貴幸に代わってFW前田遼一が入った。
 韓国はMFパク・チソンが右ひざ痛のため欠場。システムは4-1-4-1で、1トップにFWパク・ジュヨンが入った。
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 韓国が攻め込むと大歓声が沸き、日本がボールを持つたびにブーイングが起こる完全アウェーでの日韓戦。互いに主導権を握ろうと、中盤での激しいせめぎ合いが続いた。ファウルも増える肉弾戦。その“被害”を受けたのは日本だった。

 自陣PA内でイ・チョンヨンと交錯したDF駒野友一が右腕を負傷。担架に乗せられ、ピッチを離れると、そのまま前半15分にDF内田篤人との交代を余儀なくされた。

 思わぬアクシデントに見舞われた日本だが、中盤でボールをつなぎ、徐々にペースを握る。前半16分には内田、MF遠藤保仁とつないで、右サイドでフリーのFW松井大輔にボールが渡る。松井がゴール前に折り返すと、DFホン・ジョンホのクリアが小さくなり、FW香川真司がこぼれ球に詰めるが、シュートは打ち切れなかった。

 前半24分、MF長谷部誠の右足ミドルはゴール上へ。同27分には松井のラストパスを受けたFW本田圭佑が左45度の位置から左足を振り抜いたが、ゴール左上隅を突いたシュートはGKの好セーブに阻まれた。

 韓国はカウンター主体の攻撃を展開するが、単調なロングボールはDF栗原勇蔵、DF今野泰幸の両CBが跳ね返し、4バックは組織を崩さない。前半39分、MFチェ・ソングッの右FKにMFシン・ヒョンミンがヘディングで合わせ、ようやくチャンスをつくったが、シュートはゴール上に外れた。

 ボール支配率を高める日本も、1トップ、2列目にボールが入ると、韓国守備陣の寄せが早く、2人、3人で囲まれ、なかなか連動した攻撃を見せられない。それでも前半42分、長谷部の縦パスをFW前田遼一がワンタッチで落とし、本田がPA外から左足でミドルシュート。いい形でフィニッシュまでつなげたが、シュートはゴール左へそれた。

 互いに攻め手を欠き、0-0で折り返した後半開始から韓国はMFシン・ヒョンミンに代えてMFキ・ソンヨンを投入する。徐々に攻撃の圧力を強め、後半7分には左後方からのクロスをパク・ジュヨンが頭でそらすと、今野のバックパスにイ・チョンヨンが猛然と詰め、GK西川が間一髪クリア。同13分にはキ・ソンヨンの左CKからこぼれ球をパク・ジュヨンがヘディングシュート。GK西川はファンブルしてしまったが、ゴールライン上で長友がかき出した。

 後半18分、DFイ・ヨンピョの縦パスを受けたパク・ジュヨンが鋭い切り返しで今野をかわし、右足でミドルシュート。これはGK西川が横っ跳びでCKに逃れたが、韓国に押し込まれる展開が続いた。

 韓国は後半21分、チェ・ソングッに代えてFWヨム・ギフンを投入。日本も後半27分に初めての選手交代を行い、香川に代えてMF細貝萌がピッチに入る。システムも細貝をアンカーに置いた4-3-3に変更した。同34分には松井に代えてFW金崎夢生を投入。本田が右FWに回り、金崎は左FWの位置に入った。

 直後の後半35分、日本に決定機が訪れた。本田がドリブルでDFひとりをかわして右サイドを突破すると、3人を引き付け、マイナスに折り返す。フリーで走り込んだ長谷部は狙い澄まして右足を振り抜いたが、大きくゴール上に浮かしてしまった。

 韓国は後半37分、DFチェ・ヒョジンに代えてMFチャ・ドゥリ、ヨム・ギフンに代えて国際AマッチデビューとなるFWユ・ビョンスを投入。ユ・ビョンスが1トップに入り、パク・ジュヨンが左サイドに回った。

 日本は後半41分に遠藤に代えてMF中村憲剛をピッチに送り込む。すると同44分、相手陣内でDFチョ・ヨンヒョンにプレッシャーをかけた本田がボールを奪い、速攻に転じる。右を中村、左を前田が駆け上がり、3対2の決定機を迎えたが、本田はシュートを選択。これはGKのセーブに阻まれ、絶好のチャンスを生かせなかった。

 結局、試合はそのまま0-0で終了。後半は2度の決定機をつくっただけに悔やまれるスコアレスドローとなったが、守備陣はアルゼンチン戦に続いて2試合連続無失点と手応えを深め、10年最終戦を締めくくった。

(取材・文 西山紘平)

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