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横浜FM、3位G大阪に4差! “17歳差コンビ”小野&清水が勝利に貢献

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[10.31 J1第28節 横浜FM2-1広島 ニッパ球]

 17歳の新鋭と34歳のいぶし銀-。広島の不敗を止めたのは横浜F・マリノスの“17歳差コンビ”だった。まずは新鋭だ。0-1の前半33分、FW小野裕二がDF田中裕介のシュートを頭でコースを変えて1-1の同点弾を突き刺した。「たまたま頭に当たった。ラッキーなゴールでした」と小野が振り返ったように、決して狙っていたわけではないが、広島のGK西川周作が動けず、「うまく頭で合わせられた」と悔しがらせた。

 決勝点を奪ったのはいぶし銀だった。1-1の後半36分、日本代表DF栗原勇蔵の横パスをMF清水範久がPA正面で受けて左足一閃。簡単なシュートではなかったが、しっかりと右上に沈めた。清水は「シュートは枠を狙った。きょうの試合は自分にとってもチャンスだったし、チームにとっても大きいと思う」と胸を張った。

 広島はこの試合まで4勝4分けとリーグ戦8試合連続で負けなしだった。この日も引き分け以上ならクラブタイ記録となる9試合連続で、気合十分だった。そのうえ11月3日にはナビスコ杯決勝を控えており、勝って聖地・国立へへという思いが強かった。そんな思惑を2人が打ち砕いた。

 小野はリーグ戦3試合連続先発し、2試合ぶりの今季リーグ戦2得点とした。清水は8月17日の山形戦以来9試合ぶりの先発で、今季リーグ戦2得点目だった。特に清水は前節の鹿島戦に0-2完敗し、流れを変えるために採用された新布陣4-4-2のダイヤモンド型の右MFに抜擢された。

 「ミーティングで鹿島のビデオを見た。鹿島はボールを持ったら両サイドが一気に上がってくる。それが出せたかなと思う」と清水。34歳と大ベテランでありながら持ち続ける、あくなき探究心が生んだゴールだった。

 ともに勝ち点42同士の対戦に勝利し、横浜FMは同45とした。順位は7位だが、ACL出場圏内の3位G大阪まで同4差と迫った。今季残りは6試合あり、決して逆転不可能な数字ではない。

 今後は11月6日が湘南戦で同14日がF東京戦。そしてC大阪、浦和、G大阪、大宮と控えている。下位に取りこぼさず、G大阪との直接対決に勝てば……。この日のように若手にベテランと、まさに総力戦で“アジア”をつかみにいく。

(取材・文 近藤安弘)

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