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[MOM342]桐蔭学園GK三本松優(3年)_V候補撃破し「尊敬する存在」からも勝利

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.31 全国高校選手権神奈川県大会準々決勝 桐光学園 0-0(PK5-6)桐蔭学園 麻溝]

 ライバルに勝った。PK戦で6人目のキックを左に跳んでストップした桐蔭学園GK三本松優(3年)は優勝候補の桐光学園を突破したこと、そしてGKとして尊敬する存在である相手GK峯達也(3年)と戦って勝利した2つの喜びに感じていた。

 峯は桐蔭学園中時代の同期生。ただ、当時FC東京の下部組織でプレーする峯に対して、同じGKを本職とする自身は劣等感を抱いていた。高校入学後も1年から全国高校選手権に出場し、国体で日本一を経験した峯はどんどん先へいってしまう。ただ、訪れた対戦の機会に気持ちで負けることは全くなかった。「個人としては因縁があった。(峯に勝つことが)モチベーションだった。選手としては尊敬しているけれど熱い気持ちを持っていた」と三本松。前半からビッグセーブでゴールを死守すると、峯も決定的なシュートを防ぐ。だが三本松は果敢な飛び出しとシュートへの好反応で絶対に得点を許さなかった。

 そしてつかんだ勝利。「相手のGKに比べると冷静な判断、キックに課題がある」とこの日のプレーについて納得はしていなかったが、「勝ちたいという気持ちを達成できてうれしい」と静かに喜びをかみ締めた。自身にとっての壁を乗り越えた今、目標は準決勝突破、そして全国出場。「チームとしてひとつになったと思うし、もっと自分たちのサッカーができると思う。昨年はあっさりと負けるところがあったが、今年は粘りの部分が違う」と語った。ゲーム主将のCB山口廉史(3年)から「GKが助けてくれた」と感謝された173cmの小柄な守護神は今後も、チームにとっての大きな存在として、ゴールを守り続ける。

(文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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