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[MOM343]日大藤沢MF中田泰輔(2年)_「阿部のように」目立たず仕事

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.31 全国高校選手権神奈川県大会準々決勝 日大藤沢 1-0 湘南工科大附 麻溝]

 日大藤沢のアンカーのポジションを担う2年生MFが技術とそのバランス感覚の高さでチームの勝利に貢献した。

 考えていたのは常にチームのバランスをとること。日大藤沢の佐藤輝勝監督は173cmのMF中田泰輔に対し、試合中、何度も「バランス、バランス」と声をかけていた。役回りは南アフリカW杯の日本代表でMF阿部勇樹が担ったものと同じ。派手なプレーは必要ない。確実に相手の攻撃を遅らせ、競り合いでは味方にボールが転がるように工夫すること。自分のポジションが目立たないことも自覚している。それでも中盤の攻防戦で奮闘していたMFは、狭いスペースへ的確なパスを通すなど攻撃面での貢献度も大きかった。

 「前半は相手に押し込まれて自分もボールに絡めなかった。危ないシーンもあった。でも後半は修正しようと」。FW田勢大樹(3年)やMF関森悠斗(3年)との連係で相手の守備が薄くなっていたこともあるが、プレッシャーがかかっている状況でも質の高いパスで攻撃を加速させていた姿が印象的だった。自身も後半のプレーに関しては「自分のところでフリーになっていたのでサイドへの展開とかくさびとか落ち着いてやれたと思う」と納得した様子だった。

 準決勝の対戦相手は桐蔭学園。「インターハイ出れなくてくやしかった。その悔しさをもってやっている」という中田は「桐蔭は個人技術が高いし、パスで崩しに来ると思う。耐えてカウンターから点を取れるかがカギ」。指揮官が「次期キャプテン」と説明してくれたMFは「今は先輩たちを追いかけているだけ」と謙遜するが、大一番ではバランスをとるだけでなく、リーダーシップもとってチームを再びチームを勝利へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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