beacon

[MOM352]都・駒場MF菅佑也(2年)_「瞬間見逃さず」アシスト&スーパーG

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.8 全国高校選手権東京B大会準決勝 都・東久留米総合 1-2(延長)都・駒場 西が丘]

 「瞬間を見逃さないようにしていた」
 都・駒場の2年生MF菅佑也は「その時」を待っていた。両校譲らず0-0で突入した延長戦。1プレーが決着をつけることを理解していた背番号8は、前半8分に訪れたビッグチャンスを見逃さなかった。

 延長前半から投入された快足MF藤原裕太(3年)が右サイドからトップギアでPAへ飛び込んでいく。相手DFを振り切るように走りこむ藤原の姿を感じた瞬間、「体勢を崩しても何してでもあそこに通そうと思った」という菅はドンピシャのスルーパスを通す。

 次の瞬間、舞い上がったボールはGKの頭上を抜けてゴールへと吸い込まれた。必死にディフェンスに戻ったDFの足に当たったことによるラッキーなオウンゴール。だが絶妙なコース、強さでパスを出した菅がもたらした1点であることに間違いなかった。

 歓喜の先制ゴール。そして1分後にもビッグプレーが飛び出した。センターサークルやや外でボールを拾った菅が迷うことなく右足を振りぬく。やや前方に位置取りしていたGKの頭上を通過して急激に落下したボールはゴールへと突き刺さった。「(シュートは)GKを越してから落とそうというイメージだった」。菅から生まれた2ゴールがチームを決勝へと押し上げた。

 今夏出場した全国高校総体では2回戦敗退ながら優秀選手に選出された。「インハイは何もしていない。大会が終わってから(優秀選手であることを)伝えられてびっくりした」と振り返る。ただ、ボディーコンタクトの強さとそのテクニックを見ればチームの中心に据えられていることは理解できる。チームメートからの信頼も抜群。運動量が落ちて足が止まりかけていた部分は課題だが、100分間通してその存在感は十分だった。

 1週間後はいよいよ選手権全国大会を懸けた決勝。駒場の他選手同様、闘志をむき出しにするところはない。ただ「今までやってきたところを出して負けたら負け。自分のやれるところをやりたい」。今自分の持っている全力を國學院久我山へぶつけることを誓った。

(取材・文 吉田太郎)

【特設】高校選手権2010

TOP