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鹿島まさかの4位転落、ACL出場決定は天皇杯へ持ち越しに

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[12.4 J1第34節 山形1-1鹿島 NDスタ]

 鹿島アントラーズのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得が天皇杯へ持ち越しとなった。モンテディオ山形と対戦した2位・鹿島はMF小笠原満男が同点PKを決めたものの1-1で引き分け。前節まで同勝ち点だった3位・G大阪と勝ち点1差の4位・C大阪にかわされて一気に4位へ転落した鹿島は、リーグ3位以内が手にするACL出場権獲得を決めることができなかった。

 リーグ4連覇を逃したものの、4年連続のACL出場へ王手をかけていた。この日もアウェーとはいえ、12位の山形に勝利すれば自力でACL出場権を獲得できるはずだった。しかし、試合後のインタビューでオズワルド・オリヴェイラ監督が「今季のうちのチームを象徴するような試合だった。主導権を握りながら先に点が取れるか取れないか。何度も繰り返してきたことを結局最後にも繰り返してしまった」と振り返ったように、王者は攻めても勝ちきれない試合を再び展開してしまった。

 前半16分、鹿島は山形に左CKを与えると、MF秋葉勝に中央へ蹴り込まれ、これをDF西河翔吾に右足ダイレクトで押し込まれてしまう。早い段階で追いつきたい鹿島だったが、前半はなかなかチャンスを作ることが出来ない。同33分に訪れた前半唯一の見せ場ではFWマルキーニョスがPA外からミドルシュートを狙ったものの、山形GK清水健太に止められてしまった。

 後半に入ってもなかなかリズムがつかめない鹿島だったがそれでも8分、左CKでのポジション争いで山形MF下村東美がDF伊野波雅彦を抱え込んだとしてイエローカード。PKを獲得する。同点へ絶好のチャンスにキッカーはMF小笠原満男。右足で落ち着いてゴール右隅に決め、試合を振り出しへ戻した。

 自力でのACL出場を決めるためには勝つしかない鹿島は29分、DF宮崎智彦に代え、FW大迫勇也をピッチへ送り、前線へ枚数をかける。だが流れを変えることができない。37分には野沢の右CKにゴール正面でフリーのDF岩政大樹が高い打点からヘディングシュートを放ったが、GK清水健太の好セーブに阻まれた。41分にもマルキーニョスが裏へ抜け出すがこれもDFがクリア。勝ち越すことができないまま試合終了を迎え、今シーズンをまさかの4位で終えることになった。

 リーグ戦でのACL出場権出場を決めることはできなかった。ただ、準々決勝へ勝ち上がっている天皇杯で優勝すれば自力でのACL出場が確定。あるいはリーグ3位以内でACL出場権を手にしている名古屋かG大阪が天皇杯で優勝した場合には、リーグ4位の鹿島が繰り上げでACLに出場することになる。

 ただし目標は自らタイトルを勝ち取ってのACL進出だ。オリヴェイラ監督は「チーム状態をしっかり戻したところで天皇杯に臨みたい」。連覇は逃したが、昨年までのJ王者として、今季残された天皇杯のタイトルは意地でも欲しいところ。今月25日の天皇杯準々決勝での相手はJ1王者の名古屋だ。リーグ戦の雪辱はそこで果たす。

(文 片岡涼)

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