beacon

[MOM115]福岡大FW石津大介(3年)_「持っている時期」の男が決勝点

このエントリーをはてなブックマークに追加

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.18 全日本大学選手権1回戦 仙台大1-2福岡大 プレテク]

 乗りに乗っている。福岡大のMF石津大介(3年)が豪快な左足シュートで決勝点を叩き込んだ。

 1-0の前半31分、高い位置からプレッシャーをかけ、スライディングタックルで相手DFからボールを奪うと、そのまま自ら持ち込み、左足を一閃。DFの足を弾いたシュートは力強くゴールネットを揺らした。

 「スライディングでボールを奪ったのはイメージ通り。シュートの軌道は覚えてない。思い切り打つことだけを考えた」。無我夢中の一撃。全日本大学選抜の台湾遠征から前日17日に帰国したばかりだったが、勢いに乗る男にとっては、そんな過密日程もむしろプラス材料だった。

 「全日本大学選抜に行くまでは調子が悪かったんだけど、新たな気持ちで取り組もうと思って、それがいい形になった」

 ケガのFW赤崎秀平(筑波大1年)に代わる追加招集で参加した全日本大学選抜合宿。台湾遠征前に国内で行われた11日の全韓国大学選抜戦(3-1)に後半28分から出場し1得点を決めると、14日のU-23台湾代表戦(7-0)では前半のみの出場でハットトリックを達成した。16日の台湾A代表戦(1-0)は終盤からの途中出場で無得点に終わったが、4点のうち3点を利き足とは逆の左足で決めるなど調子が上向く中、帰国の途に就いた。

 「台湾でもそんなに長い時間、試合に出ていたわけではなかったし、疲れはまったくなかった。むしろコンディションがいい状態で帰って来れた。今は“持っている”時期なのかなと思っていた」

 後半12分にはFW永井謙佑のスルーパスに抜け出し、GKと1対1となる決定機迎えたが、「ゴールが小さく見えた。慎重にいきすぎた」とシュートを打ち切れず、ダメ押しゴールを逃した。後半30分にベンチに下がると、終盤はピンチの連続に肝を冷やした。「もし追い付かれたら自分のせいだと思っていた。勝てて本当に良かった」と安堵の表情だった。

 尊敬する先輩のためにも負けられない。「永井さんは今大会が最後。永井さんと一緒にプレーできるのは自分にとっても大きいし、1試合1試合が貴重な時間」。九州リーグでチーム最多の20得点を量産した石津だが、「半分ぐらいは永井さんのアシスト」と言う。

 永井とプレーすることで得点感覚はさらに磨かれ、自分自身も成長できていることを実感している。1試合でも多く、1分でも長く同じピッチに立っていたい。「永井さんにマークが引き付けられたところで、自分が結果を残します」。福岡大は永井だけじゃない。来年1月5日の決勝までの3試合。石津が永井とともにゴールを決め続ける。

[写真]前半31分にゴールを決めたMF石津大介(左)がガッツポーズ

(取材・文 西山紘平)

第59回大学選手権特集
連載:大学マン・オブ・ザ・マッチ

TOP