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[MOM119]中京大FW藤牧祥吾(3年)_静学で培った友情を胸に、決めたゴール

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.18 全日本大学選手権1回戦 中京大2-0阪南大 栃木グ]

 「この大会が僕にとって就職活動ですから」そう話すのは中京大のFW藤牧祥吾(3年=清水ユース)だ。卒業後の進路としてJクラブをめざす3年生の藤牧にとって、今回の全日本大学選手権は来場しているJチーム関係者に自分を売り込む絶好の場。だからこそ、今大会へのモチベーションは強い。

 この日も阪南大相手にMF齋藤和樹(4年=清水商業高)からのアシストを受けると自ら持ち込み、右足を一閃。先制ゴールを奪ってみせた。しかし、先制点を決める活躍にも「今日の出来は100%でいえば0.5%くらい。ディフェンスが全然できなかった」と反省の言葉が続いた。それでも東海学生リーグで得点王にも輝いたその実力は試合の中で、要所要所で十分に示してみせた。

 そんな藤牧にとって、サッカーへ取り組むモチベーションの一つとなっているのが「サッカー選手になる」という夢を共に目指す友人の存在だ。

 その友人とは、今回の全日本大学選手権にも出場している国士舘大(関東3)のFW吉野峻光(3年=静岡学園高)。2人は静岡学園高の同級生。藤牧は清水ユース、吉野は静岡学園高とサッカーに取り組む場は違えど、同級生として様々なことを話していくうちに仲が良くなった。今でも親交は続いており、12月上旬に吉野が関東選抜に選出されたことを知った藤牧が祝福するメールを送ったほどだ。

 2人は今年の正月に静岡で会ったとき「俺ら将来サッカー選手になれなかったら死んじゃうよね」と話し合い、互いに今年の活躍を誓い合った。そして、この日行われた試合で、藤牧も吉野もそれぞれが1得点の活躍をみせたのだ。吉野がゴールを決めたことを聞いた藤牧は、まるで自分のことのように喜んでいた。

 しかし、国士舘大は関西大に2-3で敗戦。結果を受けて藤牧は「絶対に吉野の分も頑張ります!」と準々決勝以降の活躍を力強く宣言した。戦う場所は違っても、同じ場所をめざして切磋琢磨する友人の存在は心強く、良い刺激になっている様子。敗退した吉野の無念な思いを胸に、藤牧は中京大での躍進を誓っていた。

(取材・文 片岡涼)

第59回大学選手権特集
連載:大学マン・オブ・ザ・マッチ

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