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[MOM389]日章学園MF早稲田進平_監督の息子が2アシスト!

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 宮城県工0-2日章学園 ニッパ球]

日章学園の早稲田一男監督の三男、MF早稲田進平(3年)がゲームを見事にコントロールし、2アシストの活躍で幸先のよい勝利に貢献した。

前半に挙げた2ゴールはともにセットプレー。そのキッカーはともに早稲田。利き足は左だ。ピッチ右サイドのリスタートを担当し、ゴールに向かうボールを蹴って相手を脅かす。
「昨日の元日は普通にテレビとかを見て過ごした一方で、夜中の3:00まで眠れなくて…。でも今日のセットプレーは狙い通りでした」

ポジションはボランチだ。コンビを組むMF山田貴文(3年)とは役割が違う。
「貴文は前で自由に動いて、僕はアンカーというか舵取り役を任されています。だから幅広く展開することを心がけています」

今大会の日章学園は07年、全国中学校大会で優勝した時のメンバーが中心になっている。
メンバーもほとんど全員がいっしょ。意思疎通もできている。セットプレー時は自分が腕を触って仲間にサインを送る。
「サインは状況を見て自分で判断して出しています。最初に真ん中に打ったら次はニアとかファーとか。相手と駆け引きしていますね」
長いつきあいの仲間を信頼し、信頼される。そんな関係が早稲田の舵取り役としての存在感を大きくさせている。

中学で全国を制した実績は自信にもなっている。日章学園のピークはこれからだ。
「今日(後半31分で)交代したのは、明日の試合のことも考えて、と僕は理解しています。チームですか?宮崎県予選決勝以後、リラックスできてたんですけど、ゲーム勘が失われました。その後8試合ほどして、今は徐々にゲーム勘が戻ってきてるとこだと思います」

目指すは優勝だ。昨年は口蹄疫の影響で練習には支障は出なかったものの、「高校総体の応援はなかった。なるべく人を出さないという話だったので」という。そのぶん、今大会での「最高の」応援が心強く後押ししてくれる。
次は頂点を目指すうえで、難関となる静岡学園との大一番だ。
「個々のレベルもプレスのレベルも高い。でも基本技術では負けない。明日は決勝戦のつもりで戦います」

そして監督は父親だ。そのことに関してなにか意識はあるのか。
「最初はやりづらかったんですけど、今はいっしょに国立に立って優勝するのが僕の描いているゴールなんで」
「どげんかせんといかん」というような熱さは感じさせない。どちらかというと今の境遇を飄々と受け入れるおおらかささを感じる。
静岡学園戦、早稲田親子に不必要な気負いはない。

[写真]日章学園MF早稲田(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文/伊藤亮)


【特設】高校選手権2010

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