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[MOM390]久御山高MF足立拓眞(3年)_決勝弾を導いた両足使いのキッカー

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 座間1-2久御山 等々力]

 起死回生の決勝弾はMF足立拓眞(3年)の左足から生まれた。

 悪い流れの中でもなんとか1点リードで前半を折り返したが、後半15分にPKを献上。これを決められて同点に追いつかれた。しかし同18分、獲得したCK。足立が左足で蹴り込んだボールはDF塚本健介(3年)の頭にピタリと合い、決勝点が決まった。

 練習から繰り返していた形だった。前や後ろなど合図は決まっていて、この日もCKを獲得した直後に足立から塚本へ「前へ」という合図が出ていた。そして塚本がその通り動くと、正確なボールが飛んできたのだ。

 久御山の松本悟監督は「PKを決められて同点になって、絶体絶命だった。そんな時に起死回生のゴール。あれが決まっていなかったら……決めた塚本だけでなく、こういう場面で正確なボールが蹴れたのが大きい」と足立を称えた。

 本来は右利きの足立だが、監督に聞いても「足立の利き足?多分、右なんじゃないかな」というほど、両足ともに違いなく蹴ることができる。「左足は素直。右足は色々なボールが出来る。やらしいのは右足」と松本監督が称する両足の技術は、サッカーをやっていた兄から「サッカーは両足を蹴れた方が得」と教えられて練習に励んだ賜物だ。

 本人は「右足で出すラストパスには自信があります。それに比べて左は……」と謙遜したが、決勝弾のアシストはもちろん、セットプレー時に見せたボールは全てが正確だった。

 試合後には「今日はボールの精度を欠いて、チームには迷惑をかけた」と反省もみせたが、足立の一振りがチームに勝利をもたらしたのは間違いない。リードされている場面でも、セットプレーを獲得すれば、足立がいるというのはチームメイトにとっても心強いはずだ。久御山は明日行われる3回戦では那覇西(沖縄)と対戦する。足立の一撃が相手の脅威となるのは間違いない。

(取材・文 片岡涼)
(写真協力 『高校サッカー年鑑』)
【特設】高校選手権2010

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