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[MOM395]滝川二FW浜口孝太(3年)_無欲で2戦連続2発! 樋口と並ぶ看板FW

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 滝川二4-1鹿島学園 西が丘]

 これが滝川ニ(兵庫)の強さだ。1回戦の駒場(東京A)戦ではFW樋口寛規(3年)がハットトリックを見せたが、この日はFW浜口孝太(3年)が勝ち越し弾にダメ押し弾と、2戦連続2ゴールで勝利に導いた。前評判通り滝川二が“強力2トップ”を擁することを証明した。

 1-1で迎えた後半19分、樋口のシュートのこぼれ球に素早く反応して押し込んだ。「いつもこぼれ球を狙ってるんです。いいポジションを取って、相手より先に触るというのが自分の持ち味。試合前に(チームメートに)ごっあんを狙えといわれてて、取ることができて良かったです」。まさに“自分の形”で大きな勝ち越しゴールを決めた。

 3-1の後半38分には、PA左から仕掛けて、右足でカーブをかけて、まるでデルピエロかバッジョ(ともに元イタリア代表)のような綺麗なゴールを決めて試合にダメを押した。こちらは「自分でもびっくり。あんなシュートは決めたことがないです」と苦笑いを浮かべたが、こんなゴールを決められるということは、勢いも“持っている”証しだ。

 1回戦で樋口がハットトリックして注目されたが、この浜口も負けず劣らずのストライカーで、チームでは「仲がいいし、ずんぐりむっくりの似たような体系」(栫裕保監督)のため、2人合わせて“ダブル・ブルドーザー”のニックネームを持つ。昨夏の全国高校総体でも2人が4得点ずつ奪って準優勝に導いた。今大会でもすでに2人とも計4得点。数字上は競い合うようにしてゴールを決めている。

 しかし、実際は違う。得点王を公言する樋口に対し、主将でもある浜口は「得点王とか考えてないです。樋口が狙ってるんじやないですか? 自分はチームが勝てればいいです。」と無欲を強調する。誕生日が同じなため樋口が“岡崎2世”といわれるが、そもそも浜口の方が、本家と同じ裏への飛び出しや“ごっつあんゴール”を得意としているそうで、報道陣から「自分が“岡崎2世”を名乗れば?」と問われた中、浜口は「そうですね」と一度は前向きになったが、すぐさま「でも、樋口のほうでいいんじゃないですかね」と最後まで控えめだった。

 「2試合続けて2点取れたのは良かったです。樋口が怪我? いつも2人でやってきたけど、出られなかったら僕の役割が大きくなると思う。樋口の分も頑張りたいと思います」と浜口は静かに闘志を燃やした。3日の3回戦・青森山田(青森)戦に樋口は強行出場する意思を示しているが、手負いの状況なのは事実。浜口がその分も奮闘し、チームを勝利に導くつもりだ。

[写真]2戦連続2発の計4ゴールをたたき出した浜口
(写真協力 『高校サッカー年鑑』) 

(取材・文 近藤安弘)

【特設】高校選手権2010

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