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[MOM405]西武台DF町山阿記(3年)_攻撃陣を支える堅守を発揮

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 作陽0-2西武台 NACK5]

 数字やインパクトを考えると、西武台(埼玉)のマン・オブ・ザ・マッチは2得点を決めたFW清水慎太郎(3年)といえるだろうが、勝利にはDF陣の頑張りも必要。強力な作陽攻撃陣を完封に抑えたが、これに大きく貢献したのがDF町山阿記(3年)だった。MOMに値する活躍を見せた。

 「作陽は去年負けていたので、意識していました。去年負けた時は、決勝点はスローインから柳選手に突破されて入れられたけど、自分はカバーに回ってて止められなかった。悔しい思いをしたので、今年は勝てて良かったです」

 昨年、2回戦で対戦した時、町山は2年生ながらCBのレギュラーで先発していた。今でも忘れられないのが、1-1で迎えた後半ロスタイムの失点だった。ロングスローから最後、MF柳直人に突破されてゴールを許し敗戦を喫した。先輩たちに申し訳ない気持ちでいっぱいで、この1年間は、この苦い記憶を常に思い出しながら厳しいトレーニングに励んできた。

 西武台では例年この時期になると、学校の下駄箱近くにあるモニターで、県予選や選手権のハイライト映像を流すそうだが、町山は作陽戦の失点シーンを見るたび「今年は絶対に勝ちたい」と気持ちを引き締めていたという。

 「この1年で成長したこと? 自分は背も高くスピードもあるんですが、今まで集中力が足りなかった。それを意識していました。80分間ぜんぶ集中しきることを考えてました。まだ完ぺきではないけど、だいぶ集中してプレーできるようになったと思います」

 言葉通り、この日の後半終盤、作陽は持ち味のショートパスで押し込んできたが、粘り強く守って弾き返した。本人も「行くときと行かないときを考えた。中途半端だったらやられるので。きょうはCB2人でカバーしたし、真ん中の選手と挟んだりして跳ね返すことができました」と成長を感じた様子だった。西武台には清水という強力なエースがいるが、町山という経験豊富なDFリーダーもいる。次の試合も堅守でチームを支え、清水をはじめとする攻撃陣をバックアップするつもりだ。

[写真]西武台DF町山(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 近藤安弘)

【特設】高校選手権2010

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