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[MOM126]関西大FW奥田勇太(1年)_15分間で獲得した“最優秀選手”の称号

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.5 全日本大学選手権決勝 中京大1-2(延長)関西大 国立]

 1年生FWがチームを日本一へ導いた。「ゴール前で持ち味を出して、PA内でシュートを打っていけ」と島岡健太監督からピッチへ送り出されたのはFW奥田勇太(1年)だった。

 これまで出場は無く、決勝戦での国立のピッチが今大会初出場の舞台。それでも「緊張はありませんでした」と1-1で迎えた延長15分に出場すると、延長後半10分に仕事を果たした。FW安藤大介(2年)の右クロスに頭で合わせて、値千金のゴールを決めた。

 「本当に触っただけですよ」と本人は笑って話したが、その勝負強さは、まさにMVPに値するもの。島岡監督が「常に彼は何かが起こりそうな所をずっと狙っている」と話すようにゴール前の嗅覚を生かして決めたゴールだ。その結果、大会を通じて、わずか15分間の出場で最優秀選手に輝いた。

 1年生ながら堂々としたプレーをできたのも、チームメイトと周囲の人たちの存在が頭にあったからだった。「声を枯らして応援してくれている先輩とか、みんなのことを考えたら萎縮したり、物怖じするのはもったいないと思って。責任を持ってやろうと思ったら気が楽になりました」と奥田は振り返る。

 大会最優秀選手となったが、関西大はタレントの宝庫。メンバー入りしていない年代別代表経験者も多く在籍しており、奥田も来季のメンバー入りが確約された状況ではない。

 だからこそ「今回のことは本当にたまたまです。まだまだ練習しないと。全員サッカーで来季も頑張りたい」と気を引き締める。今回の活躍を自信にして、まずは新シーズンで先発定着をめざしていく。この活躍を皮切りに、2011年を躍進の年にしたいところだ。

[写真]最優秀選手の表彰を受けた奥田

(取材・文 片岡涼)
第59回大学選手権特集

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