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[MOM417]久御山FW坂本樹是(3年)_流経柏ペース断ち切るエースの一撃

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.8 全国高校選手権準決勝 流通経済大柏2-2(PK2-3)久御山 国立]

 同点に追いつき一気に逆転を狙った流通経済大柏の押せ押せムードを一撃で断ち切った。

 1-1の後半29分、久御山は右サイドでボールを持ったMF二上浩一(2年)が「逆サイドが空いていたのでそこを狙って蹴った」とDFの頭上を越えるクロスボール。ファーサイドでボールを受けた10番FW坂本樹是(3年)が強引なドリブルで中央へ持ち込み、右足を振りぬくと気持ちのこもった一撃はDFの足を弾き、GKの頭上をゆっくりと越えてゴールへ吸い込まれた。

 座間との2回戦、那覇西との3回戦に続く今大会3得点目は貴重な勝ち越し弾。再び追う展開となった流経大柏に与えたダメージは大きかった。後半43分に再び同点に持ち込んだ流経大柏だったが、後半17分の同点後の流れのいい攻撃が坂本のゴールによって乱れ、急激にバランスを崩した印象だった。

 貴重な勝ち越しゴールはエースの自覚が生んだ一撃だった。選手権京都府大会決勝で2得点を挙げ、同準決勝でも決勝FKを決めるなど京都府大会で6ゴールをたたき出している坂本だが、今大会はボールを失わないことに意識が傾いていたか積極性が薄れていた。その点を松本悟監督に指摘されて臨んだ準決勝。「先生に言われていたから打った。後半(押し込まれて)苦しかったし、しんどかったけど前に走ってカウンターから取ってやろうと思っていた。ゴール見えたら打っていこうと」。そして迷いを振り払うようなファインゴールでチームを勝利へと近づけた。

 その他にも再三左サイドから仕掛け、また相手の不意を突くヒールパスでもチャンスを広げるなど、前線でチームを引っ張った。決勝は滝川二(兵庫)との関西対決。まだ進路未定という坂本が決勝でもゴールを決めて大舞台で結果を残し、自らの将来も切り開く。

[写真]勝ち越しゴールを決める久御山FW坂本

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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