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[選手権]涙のPK戦敗退も島根の歴史塗り替えた立正大淞南「新しいスタート」

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[1.8 全国高校選手権準決勝 立正大淞南0-0(PK6-7)滝川二 国立]

 島根県勢にとって悲願となっていた国立・準決勝進出を果たし、島根県の高校サッカーの歴史を塗り替えた立正大淞南、だが、初の決勝進出の夢はPK戦の末に潰えた。前半は滝川二に主導権を握られ、シュート数は相手の半分以下の4本。だが得点ランキング首位の7ゴールを挙げているMF加藤大樹(3年)が「このままじゃ悔いが残る」と話すなど、気合を入れなおして臨んだ後半は、失速した滝川二を運動量で上回り、終盤は決定機を連発した。

 中学時代は3番手GKで「正直レギュラーでこれると思っていなかった」というGK三山大輝がビッグセーブを連発するなど守備陣がゴールを死守すると、後半42分にはMF小田悠太(3年)のクロスにフリーで飛び込んだFW池田拓生(3年)が決定的なヘディングシュート。そして43分には池田のスルーパスで抜け出した加藤がドリブルでGKをかわした。だがいずれもシュートの正確性を欠き、決勝点を奪うことができなかった。

 勝つチャンスは十分にあった。それだけに選手たちも悔しさが募った。だが、11回目の出場でチームと島根県の歴史を塗り替えて国立で、2万人を超える観衆の前で自分たちのサッカーを披露することができた。三山は「自分のプレーができたから後悔はしていない。滝二に全国制覇してもらいたい」と納得の表情。南健司監督は「選手は本当によくやってくれた。出てる選手も、応援してくれた選手も学校全体で戦った。これを新しいスタートにしたい」。

 今年度は全国高校総体で8強進出し、全日本ユース選手権では16強へ駒を進めた。実力を示し、全国上位の地位を確立した立正大淞南は2年生で10番を背負ったMF稲葉修土を中心に来年、再び全国制覇に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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