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[選手権]「もってる」滝川二が夏冬決勝進出の快挙!

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[1.8 全国高校選手権準決勝 立正大淞南0-0(PK6-7)滝川二 国立]

 全国高校総体準優勝がまぐれでなかったことを結果で示した。滝川二(兵庫)は全国総体8強の立正大淞南(島根)をPK戦の末に下して夏の全国総体に続く決勝進出。同一年度の全国総体と全国高校選手権でいずれも決勝進出したのは過去5年でゼロ。どの高校も果たしていない夏冬ファイナリストの権利を獲得した(04年度市立船橋以来。00年以降は国見、市立船橋に次いで3校目)。

 この快挙についてはFW浜口孝太主将(3年)も「めちゃくちゃすごくないですか」と記者に逆質問したほど。最近では08年度総体優勝校の市立船橋(千葉、流通経済大柏と両校優勝)、同09年の前橋育英(群馬)がいずれも同じ年度の全国選手権で初戦敗退し、09年準優勝の米子北(鳥取)と10年日本一の市立船橋はいずれも県決勝で敗れてその冬の全国大会へ進出することが叶わなかった。Jクラブユースの台頭など戦力が分散化したことなどを要因として、同じチームが勝ち続けることの難しい近年の高校サッカーの中で、滝川二の夏冬決勝進出は讃えられて然るべきものだ。

 全国総体では相手のスタミナが落ちた後半のゴールで競り勝った。選手たちも「運があった」ことを認める。だが今回は昨年準優勝の青森山田を2-0で下すなど準々決勝までの4試合を15得点2失点。立正大淞南は苦戦したが、CB土師直大(3年)を中心とした最終ラインの粘り強い守りやMF谷口智紀とMF香川勇気(ともに3年)のダブルボランチ、またサイド選手のハードワークなどにより無失点で90分間を切り抜けた。弱点と見られていたディフェンス面での進化も示し、決勝進出の権利を勝ち取った。

 市立船橋からリードを奪いながら追いつかれて延長戦の3失点で涙した総体越えまであと1勝。浜口主将は「(夏冬決勝進出は)みんな“もってる”と思います。もう優勝しかない」。快挙を達成したが、夏冬連続準優勝で終わるつもりは全くない。滝川二が今度こそ優勝し、高校チーム最強の称号を獲得する。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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