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[選手権]滝川二MF谷口、地元・京都勢相手に気迫勝る

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[1.10 全国高校選手権決勝 久御山3-5滝川二 国立]

 滝川二MF谷口智紀(3年)は初優勝を決めた試合後、静かに久御山の選手たちを讃えていた。そして敗戦に涙する京都紫光SC時代のチームメート、MF足立拓眞(3年)に「泣くな、胸を張って」と声をかけると、「優勝できなくて悔しかったけど準優勝でも胸を張ろう」と切り替えた久御山のゲームメーカーは「優勝おめでとう」と谷口に言葉を返した。

 滝川二の中盤の軸である谷口にとって決勝は特別な戦いだった。相手の久御山は地元・京都代表のチーム。足立に加えてCB山本大地主将(3年)も京都紫光SC時代のチームメートだった。試合前には「こんなところで試合ができるなんて」と話していたという谷口。ただ京都を飛び出して滝川二の主力として欠かせない存在となったMFは、ここで負けるわけにはいかなかった。

 180cmの大型ボランチは「負けられないという気持ちを持っていて、(足立、久御山に)何もやらせないくらいの気持ちだった」気合十分。やや気持ちが入りすぎているような印象もあったが、ダイナミックな動きで相手ボールをもぎ取ると滝川二自慢のサイド攻撃へとつなげた。期待されていたゴールを奪うことはできなかったが、素晴らしいサイドチェンジやクロスを連発。そして中盤の守備で絶大な存在感を見せた谷口は「やり切れた」。地元チームの前に90分間立ちはだかり、滝川二初Vの立役者のひとりとなった。 

[写真]滝川二MF谷口(写真協力 『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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