beacon

[選手権]初V・滝川二“チームの心臓”はサイドにも

このエントリーをはてなブックマークに追加

[1.10 全国高校選手権決勝 久御山3-5滝川二 国立]

 滝川二はこの日も“ダブル・ブルドーザー”だけでないところを見せた。後半9分、SB濱田量也(3年)の右クロスのこぼれ球にいち早く反応したMF本城信晴(3年)が左足ダイレクトでシュートをゴールへと流し込む。準々決勝・日章学園(宮崎)戦の先制ゴールに続く貴重な一撃。準々決勝の試合後「2トップに注目が集まれば)逆においしい。注目が集まれば集まるほど自分のマークが緩くなりますから」と微笑んでいた本城が、FWの競ったこぼれ球に反応して見事な追加点を挙げた。

 栫裕保監督は試合後の会見で「勝利の一番の原因は2トップかなとは思っています。ただ、うちの心臓部は後ろやと思います」と語っていたが、そのとおりチーム1、2の運動量を生かして前半24分、40分にアシストもした本城に加え、左サイドから果敢にドリブルで仕掛け、161cmと小柄ながら守備にも奮闘したMF白岩涼(3年)、そして濱田らサイドの選手たちの活躍も見逃せない。ボールを奪われても切り替え早く中盤で相手の攻撃を潰し、すぐさまサイド攻撃を開始。準決勝の立正大淞南戦では後半スタミナが尽き防戦一方だったが、この日は取られても取り返すとばかりに最後まで走りきり、彼らは久御山の脅威となり続けた。

 前半40分に本城へ出したスルーパスなど攻撃面での貢献度が特に大きかった濱田は「守からの攻への切り替えは速いと言われる。攻撃が好きなんで(笑)。ここがよかったんじゃないかと思う」と満足げ。2トップの活躍が際立った滝川二だったが、目立たなくても彼らをサポートし、役割を徹底し続けた選手たちの活躍が、初優勝のもうひとつの大きな要因だった。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

TOP