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PKで初失点も、緊急出場の西川「割り切って入った」

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[1.13 アジア杯B組 日本2-1シリア カタールSC]

 緊急出場にも平常心を失わなかった。疑惑の判定でGK川島永嗣が一発退場となり、GK西川周作(広島)が急きょFW前田遼一に代わってピッチに入った。

 オフサイドに見えたシーンでの退場&PK。日本選手が審判に猛抗議する一方、シリアサポーターが興奮に包まれる騒然とした雰囲気に包まれる中、最初のプレーがPKだった。

 FWアル・カティブのキックに対し右に飛んだ。コースは合っていたが、伸ばした手はわずかに届かなかった。「コースは読んでいたけど、あとは高さだけだった」。1-1の同点。それでも動じることなく、その後は安定したセービングを見せ、MF本田圭佑のPKで勝ち越すと、最後のシリアの反撃にもゴール前に立ちはだかった。

 「あのタイミング(での出場)はビックリしたけど、メンタルも体も準備していた。最初がPKだったし、割り切って試合に入った。チームメイトには『周作、頼むぞ』と声をかけられた。自分も任せられたからにはしっかりやろうと思っていた」

 ザックジャパン初陣となった昨年10月8日のアルゼンチン戦も、川島の負傷により急きょ後半40分から途中出場した。「アルゼンチン戦もあったし、落ち着いて入れた」。いつ、どんな状況で出番が来るか分からないのがGKだ。ベンチという立場に甘んじることなく、日々の練習から心身ともに準備してきた。

 グループリーグ突破の懸かった17日のサウジアラビア戦。川島が出場停止となれば、当然、西川がゴールを守ることになる。「自分が目指すところはそこ(先発)だし、今まで通り、いい準備をして、出るからには無失点に抑えたい」。この日のPKが国際Aマッチ出場4試合目で初めての失点。しかし、過去に先発した09年10月8日の香港戦(6-0)、昨年10月12日の韓国戦(0-0)はいずれも無失点に抑えている。引き分け以上で2位以内が確定するサウジアラビア戦。自らの完封で準々決勝への道を切り開くつもりだ。

[写真]途中出場のGK西川

(取材・文 西山紘平)

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