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日本vsシリア 試合後の選手コメント

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[1.13 アジア杯B組 日本2-1シリア カタールSC]

 日本代表は13日、グループリーグ第2戦でシリア代表と対戦。前半35分、MF長谷部誠(ボルフスブルク)のゴールで先制すると、微妙な判定でPKを与え、後半31分に追い付かれたが、後半37分にMF本田圭佑(CSKAモスクワ)のPKで勝ち越し、2-1で競り勝った。
以下、試合後の選手コメント

●FW岡崎慎司(清水)
「自分が入ったときは1-0で勝っていた。追加点を取って逃げ切りたかったけど、さすがにあの展開は読めなかった。レフェリーの判定には納得いかないけど、自分のPKも、取るレフェリーもいれば、取らないレフェリーもいると思う。というか、ほぼ取らないと思う。ただ、裏に抜けたプレーからだったし、そこはよかった。チームの雰囲気は初戦より良かった。勝ちながらいいサッカーを目指して、監督のやりたいサッカーをピッチで表現して、チームの一体感を高めていきたい」
―PKを獲得した場面は?
「最初はターンしてシュートのイメージだった。そのイメージ通りにいかなくて、最初は(倒れないように)耐えたけど、こけたらファウルになった。ファウルではなかったかもしれないけど、相手のこともあったし、取ってくれたのかもしれない」
―10人になってからの役割は?
「サイドだったけど、(本田)圭佑がヘディングで勝っていたので、そのこぼれを狙った。10人になったし、サイドというよりは自由にやらせてもらった」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
「前半はいい形でできて、後半も続けてやろうと話していたのに、受け身に立ってしまった。そこは自分も含めて、経験の少なさが原因。今までは上の選手がやってくれていたけど、このチームでは僕らがやらないといけないし、試合を落ち着かせないといけない。そこは僕らに責任があると感じている」
―ヨルダン戦よりもバランスを大事にした?
「今日は引き気味にプレーしたけど、もっと走らないといけない。低い位置からでも、もっと前に行かないと。後ろの選手がもっと得点に絡まないといけない」
―そういう意味ではゴールはよかったのでは?
「点を取れたのはいいけど、今日のプレーは個人的に満足できない。もっと攻撃に絡みたい」
―PKにつながったバックパスは?
「(川島)永嗣にほんとに悪いことをした。もっと強いバックパスをすれば良かった。永嗣はクリアしようとして、前にいた選手に当たらないように巻いて蹴った。責任を感じている」
―苦しい試合をものにしたが?
「レフェリングに振り回された感じはある。僕らのPKもPKじゃないと思うし。もうちょっと自分たちで上手く試合運びしたい」

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
―PKは自分から蹴ろうとしたのか?
「そうですね。流れからしたら俺かヤットさん(遠藤)だったので。でもヤットさんを見たら遠かったので、俺が蹴りました。次は譲るかもしれません」
―蹴る直前にコースを変えた?
「いや、GKを見て蹴ろうと思ったけど、GKを見て右に蹴ろうと思ったら動かなかった。ただちょっとキックが強すぎたので、当たるかなと思った。危なかったですけど、ラッキーゴールでした。よかったです」
―笛も含めて苦しい戦いだった。
「アウェーの試合はこんなものだと思っているし、その中で勝てて良かった。この勝ち点3は大きい。でも何も決まったわけではない。次、勝たなければいけない」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―勝利について。
「もちろん、大きいですし、次に向けて大きな勝点3だったと思います」
―初戦から何が変わった?
「選手ひとりひとりがいい危機感を持ちながら、あらためてアジアの難しさ、国を背負って戦う難しさを強く感じながら、もちろんプレーもたくさん良くなったところはあると思いますけど、一番はメンタルの部分が大きいと思います」
―アジアのレフェリーの中で戦わなければいけないとあらためて実感したと思うが。
「多々あることですけど、今日、ああいう場面でベンチを飛び出してみんなが抗議したり、アップしていた選手が抗議するのは、チームとして非常にいいことだと思いますし、ああいう気持ちを持てば成長できると思う。PKはその前に原因があるので、自分たちが招いた結果ですし、それでもチームがひとつになったことが大きい」
―次、引き分けでも上に行けるが?
「相手は(決勝トーナメント進出が)なくなったけど、相手は関係ないですし、サウジも強豪国なので、自分たちはいい準備をして、いいコンディションで臨めるようにしたい」
―後半は失速というか、慎重になり過ぎた気がするが?
「相手が前がかりになって、ボールをキープできなかったので、どうしても押し込まれる時間が長くて、自分たちからアクションしてボールが回せるように、もう少し工夫が必要だと思います」
―PKは本田君が蹴ることになっていた?
「いや、(本田)圭佑が蹴りたがっていたので。普通に僕は蹴りたい人が蹴ればいいと思っている。圭佑が蹴ればいいと思った」

●MF香川真司(ドルトムント)
「いい時間帯に先制した。落ち着いて自分はプレーしていたし、点につながって良かった。後半はラインが下がったりして、チームとして良くなかった。前半のリズムでいければいいと思う」
―途中交代は?
「自分の責任。ミスが続いたのが良くなかった」
―試合を振り返って。
「前の意識は強かった。それが良い方向に出た場面があった。今日は流動的に動いてやって良かった。あとは精度です」
―判定をどう感じたか?
「中東ならああいうのもあり得る。でも、立て直して勝つことができたのは、チームとしてあきらめずに戦ったから。それは良かったと思う。こういう試合を勝ち切ったことは良かった。次は点を取って勝ちたい」

●MF松井大輔(グルノーブル)
「厳しい試合になるのは分かっていた。W杯のアジア予選も勝つのは難しい。この勝ちはすごく大きいし、こういう試合を経験できたことも大きい。勝つことによってチームワークも高まる」
―1人減ったからの戦い方は?
「4-4-1みたいになったけど、自分のポジションはあまり変わらなかったし、問題はなかった。10人になって勝ち越すことができたのは得るものも大きい」

●MF細貝萌(アウクスブルク)
「プレー時間は短かったけど、チームがそのまま逃げ切って、勝って終わって良かった」
―10人という状況でピッチに立ったが?
「難しい状況は分かっていた。その中で、自分が入ってからチームが失点することだけは避けたかった。勝ちの状態で逃げ切れたのが良かった」
―レフェリングには気を使ったか?
「笛に気を付けなきゃというのはないが、もちろんペナルティーエリア内では気を付けないといけない。ただ、中盤の高い位置では激しくいこうと思っていた」
―あらためて感じたアジアの怖さは?
「今までもこういう大会が厳しいのは分かっていた。今日は先に点を取ったことが大きかったと思う。ヨルダンが勝って、サウジが2敗したんですよね? サウジは新しいメンバーで来るかもしれないし、気持ちを入れ替えてくると思う。サウジはもともと一番いいと言われていたチームだし、難しいと思うけど、日本は勝たないとダメ。勝ってグループリーグ突破を決めれば新しい道がその先に開かれると思う」

●DF吉田麻也(VVV)
「勝って良かった。前半は問題なかったけど、後半は個人的なことを言えば、もっと試合に集中しなければならなかった。相手の特徴であるロングキックからFWが競ってそらす場面。そこだけ注意していたけど、うまく対応できなかった。それ以外は問題なかったけど、ヘディングの対応は自分の中で譲れないものがあるので、それがうまくいかなかったことが課題だと思います」
―判定のことも含めて冷静に対応しなければいけなかったが?
「CBというポジションは、そういうことに左右されず、しっかりとやらないといけない。でも今日はその後でバタバタとしてしまった。またそういう場面があったらしっかりとプレーに集中して、チームが乱れないようにしたい。ああいう誤審があると、そこからバタバタしてしまってお互いに面白いサッカーができない。それは日本だけじゃなくてシリアもそうだと思う。でも、そこは僕が言ってもしょうがないので、選手はサッカーに集中すればいいと思います」
―PKの場面は?
「僕らの意見としては明らかにオフサイドだった。審判の意見ではパスを出したのは相手の選手ではなく今野選手だという判定だったらしいです。副審も旗を上げていたけど、審判はそのまま笛を吹いちゃったので」
―戦ってみてシリアの印象は?
「ヨルダンより組織化されていたし、前のターゲットマンもヨルダンよりはレベルが高かったです」
―PKのあとの心境は?
「とにかく冷静にプレーしようとは思ってたけど、ちょっとチーム全体がバタバタした」
―具体的な守備の手応えは?
「今日に限って言えば、崩れた場面はほとんどなかったけど、警戒していたロングキックからの競り合いの部分で、僕が全部競ることになっていたので、そこをうまく対応できなかったところだけが自分たちのピンチにつながる部分でした。個人的には空中戦の結果は試合の結果抜きに譲れない部分が大きいので、ヘディングの対応は今日の課題だと思います」
―ビルドアップは周囲との呼吸が取れてきたが?
「今日は相手がスライドも早かったし、しっかり組織化されていたので、(ワイドには)なかなか出せなかったけど、間にスペースが結構開いていたので、僕が無理することなく、ヤットさん(遠藤)や長谷部さんが前にバンバン入れていたので、ビルドアップで何かするということはなかった。あれはあれで、ひとつのやり方だと思うので、悪くはなかったと思います」
―突破がかかるサウジアラビア戦はまたメンタル的にもギリギリの戦いになるが?
「厳しい戦いの中で若い選手が多いので、僕も含めてどんどん成長できると思うし、成長しないといけないと思う。そういう環境に置かれるのはすごくいいことだと思います」
―こういう試合はなかなか経験できないものだが?
「常に学ぶことはたくさんあるし、今日はちょっとバタバタしてしまったので、もっと冷静にプレーしたい」
―後半失点したあとは?
「蹴らずにしっかりつなげば十分つなげるチームだし、そういう選手がそろっている。無理に蹴ることなく、場合によってはもちろん蹴りますけど、しっかりつないでボールを運んでいけばチャンスはあると思っていた。結果的に点が入って勝てたのはもちろんよかったです」
―10人になってからはボールが行ったり来たりになったが?
「1人少ないので、ああいうときは常に我慢をしないといけない」
―それができた?
「結果的にですけどね。もっと強い相手になれば分からないし、やりながら解決していけると思います」
―この勝利の意味は?
「意味は分からないですけど、とりあえずホッとしました」

●DF長友佑都(チェゼーナ)
「かなり厳しい戦いになりましたけど、勝ったことがすべてですね」
―1人退場になったあとは?
「フォーメーションを4-2-3にするように言われて、そこからしっかりまずは失点しないように考えて、そこからカウンター狙いで。オカ(岡崎)も入っていたので。でも、やりたいことはしっかりやれたかなと思います」
―後半の最後に細貝が入ったが?
「あれね、分からなかった、どこに入ったのか。アンカーかな、右かな。でも、守備を固めるという指示だというのは分かったので」
―PKのシーンはか?
「副審は旗を上げていたから、副審にオフサイド、オフサイドと言っていたら、レフェリーに『だれかに当たった』というようなことを言われた。よく分からなかったですけど、ああいうことは起こるので、僕らは準備をしっかりしておかなければいけない。もちろん、なんでだってことは言いますけど、あまり熱くなりすぎるとプレーに影響してしまうので、それは一番避けたかった。みんな、そのあとは落ち着いて対応していたので、成長につながっていると思う」
―長谷部からのバックパスも少し危険だったのでは?
「中途半端なところに出て、僕も(川島)永嗣さんが出るのか迷ったところがあって、ハセさんは永嗣くんに出したみたいなのですが、声を出したり、お互いの意思疎通を図らないといけなかったです」
―長友くんは早い段階から川島君に任せる、というジェスチャーをしていたが?
「そうですね。僕も合図は出したんですけど、永嗣さんが戸惑っていて、永嗣さんは2人来ているのが見えていたから。球足も伸びなくて……そこは永嗣さんの判断で」

●GK川島永嗣(リールス)
―ありえないような判定だったが?
「納得ができるものではないです。ただ、自分としてはどんな形でもチームに迷惑をかけたというのはある。本当にそのあとチームメイトがしっかり戦ってくれて、勝ち点3を取ってくれて、感謝したいと思います」
―あれは審判がバックパスと捉えたようだが、明らかに相手のパスだった?
「そうですね。それは映像を見れば、明らかになると思う。ただ、こういう大会ではこういうことが起こるし、そういう中で、また僕自身もそうでし、今日もいい形を次につなげていければいいと思います」
―残りは祈るように気持ちで見ていた?
「そうですね。ドーピング(コントロールルーム)に行っていて見ていないんですけど、点が入ったというのを聞いて安心はしました。マネージャーが入ってきて、教えてくれました」
―前半からファイトして、形もできていたと思うが、初戦とどこが変わった?
「球際もそうですし、パススピードも良くなったと思うし、また次の試合につながると思います」

●GK西川周作(広島)
―突然の出番だったが?
「あのタイミングはビックリしたけど、メンタルも体も準備していた。落ち着いて入ることはできた」
―PKの判定は微妙だったが?
「完全にオフサイドだと思ったけど、何が起こるか分からないのがサッカーなので」
―あの状況でどういう気持ちで入った?
「最初がPKだったし、割り切って試合に入った。気持ちも準備はできていたし、落ち着いて最少失点に抑えようと思っていた」
―PKも惜しかったが?
「コースは読んでいたけど、あとは高さだけだった」
―問題なく試合に入れた?
「スッと入れた。メンタル面でもいい準備はできていたし、アルゼンチン戦もあったし、落ち着いて入れた」
―ピッチに入ったときはチームメイトから何か声はかけられた?
「『周作、頼むぞ』と声をかけられた。自分も任せられたからにはしっかりやろうと思っていた」
―サウジアラビア戦は先発が濃厚だが?
「自分が目指すところはそこ(先発)だし、今まで通り、いい準備をして、出るからには無失点に抑えたい」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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