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前田が3年ぶりゴール。レギュラー争いで前進

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[1.17 アジア杯B組 日本5-0サウジアラビア アルラーヤン]

 崖っ縁で踏みとどまったのみならず、大きく一歩前進した。1トップとして3試合連続で先発出場したFW前田遼一(磐田)が2得点の活躍。日本のグループ1位通過へ大きく貢献した。

 1点目は技ありだった。前半19分。DF長友佑都の高速左クロスに勢いよく飛び込み、右足アウトで合わせた。

 「きょうはボールが早いテンポで回っていたのが良かった。始めからアウトで打つと決めていたわけではないけど、いいクロスを上げてくれたので、決められて良かった」。このゴールで3-0。チームの勝利をほぼ決めた。

 チーム4点目となる2点目は、後半立ち上がりの6分だ。右サイドのDF伊野波雅彦のクロスに、今度は頭を合わせた。いずれもニアに入ってのゴール。「やろうと思っていた形からゴールができて良かった。みんなのやりたいことが分かってきたことで、良くなったのだと思う」。寡黙な男の表情に珍しく笑みが浮かんだ。

 テンポよくパスが回り、ピッチ全体にいいリズムができていた。その中で、前田とFW岡崎慎司とのコンビネーションは特に冴えていた。後半35分には相手DFのギャップを突く絶妙の縦パスを送り、岡崎のハットトリックをアシスト。「(岡崎は)動き出しがすごく速い。僕は空いたスペースに入ることができて、すごいやりやすかった。こういったプレーは今後も生かしたい。誰が出ても、しっかり動いて相手のスペースを突くようなプレーができればいいと思う」と手ごたえを口にする。

 前田の得点は08年2月17日の東アジア選手権・北朝鮮戦以来3年ぶり。ザッケローニ監督就任後は5試合目で初得点となった。チームのベースが徐々にできつつある中、FWの人選には決め手を欠いてきたザックジャパン。ハットトリックの岡崎とともに、2得点の前田がレギュラー争いで一歩前へ飛び出した。

[写真]2得点を決めた前田

(取材・文 矢内由美子)

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