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日本vsオーストラリア 試合後の監督会見要旨

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[1.29 アジア杯決勝 日本1-0(延長)オーストラリア カリファ]

 日本代表は29日、アジア杯決勝でオーストラリアと対戦。0-0のまま2試合連続の延長戦となった死闘は、延長後半4分、途中出場のFW李忠成(広島)が劇的な決勝点を決め、日本が1-0で競り勝ち、2大会ぶり4度目の優勝を飾った。
以下、試合後の監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「結果には満足している。望んでいた結果を得られた。試合前のミーティングで合宿の最初に言ったことを話した。『アジア杯は成長しながら優勝を目指そう』と。『それがそこまで来ている。勝とう』と話した。このチームは若くて、経験を積もうとしてきたが、若いからといって勝てないわけではない。先制された試合、10人の試合を引き分けではなく、勝ち切ってきた。途中から出てくるメンバーの力が大きかった。チーム力で勝ち切った。李のゴールはその象徴だと思う。岡崎、伊野波、細貝。そういう選手が決定的な仕事をしてくれた。今日もやってくれると思っていたし、選手をほめたい。彼らは全力を出し切ってくれた。消耗度は激しかった。フィジカルコンディションのバラツキには苦労したが、成長しながら団結して勝った。素晴らしいチームだ」

―後半途中から長友を中盤に上げたが?
「最初は中盤を厚くしようと思った。そこが上手くできていなかった。藤本は良かったが、試合から1ヵ月遠ざかっていて、試合勘がなかったように思えた。チョイスとしては今野をアンカーでプレーさせようと考えたが、ずっとCBでやっていたので、中盤のラインに入るのはちょっとということになって、長友を前に上げた。あのポジションでもできるのは分かっていたし、スピードもあるので。システムの変更をしなかったのは中盤、FWを外すと守りに入っていると相手に受け取られてしまうし、選手もそういう意識を持ってしまうから、変更せずにいた。今野を中盤で入れようとしたのはボール奪取能力が高く、ボールを奪って、早い切り替えから攻撃する展開を考えていた」

―川島は準々決勝後に批判を受けることもあったが、この2試合のプレーは素晴らしかった。
「川島がメディアから批判されていたのは知らなかった。川島はW杯でも活躍した素晴らしいGKだ。うちには3人の素晴らしいGKがいるが、GKを代えるのは好きではない。GKはミスも目立つし、批判にさらされやすい。川島は落ち着いていたし、私は彼を信頼していた。クラブチームが大変な状況の中、よくやってくれていた。メディアに批判されていたのなら、それを払拭できてよかった」

―長友を中盤に入れたのはウィルクシャー対策だったのか?
「その前に、チームを離れた選手たちに感謝したい。槙野、酒井、松井、香川。彼らの力も優勝に貢献した。出場機会を得ていない森脇、権田もチームスピリットを見せてくれた。彼にも感謝したい。質問に答えると、足りなかったのは推進力。これは前線ではなく、中盤の問題。だから今野をアンカーにして、ダブルボランチを上げて推進力を出そうと思っていた。チョイスは長友だったが、驚いたのはオーストラリアが間延びし始めたこと。それまではコンパクトでいいサッカーをしていた。コンパクトさをチームで表現して、素晴らしいチームだった」

―初戦のチームと今日のチームを比較すると、どこが成長した?
「今日の試合と決勝までの試合は別に考えている。決勝は1つの試合。それ以前の試合は経験を積みながら、たくさんのゴールチャンスもつくっていた。決勝はフィジカルでぎりぎりの試合だった。本田圭佑、長谷部、遠藤は昨日から練習に合流し、岡崎は歩いただけだった。長友も韓国戦で足を踏まれて、思うように練習できなかった。決勝はもう1つのストーリーだと思っている。準決勝までは成長して、今日は力以上のものを発揮した」

―監督のキャリアでアジア杯優勝の持つ意味は?
「イタリアでセリエB以外は優勝してきたが、国際レベルの大会では優勝していなかった。今日はそれにあたると思う。日本代表の監督として、彼らと一緒に戦えたことを誇りに思う」

[写真]日本代表ザッケローニ監督

(取材・文 西山紘平)

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