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[MOM420]F東京U-18MF岩木慎也(2年)_停滞ムード吹き飛ばすブレ球FK

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[1.30 東京都クラブユース選手権決勝L F東京U-18 5-0杉並FCユース 小平]

 停滞ムードを一撃で吹き払った。新チーム初戦は序盤、自陣で守備を固める杉並FCユースの堅い守りに手こずった。パスをつなぐ意識の高かったFC東京U-18だったがタイミングがズレるなど、前半半ばまで決定機を作ることのできない展開。コーチスタッフに「ドリブルとパスの使い分けをしろと言われた」というサイドアタッカー、MF岩木慎也は鋭いドリブルで対面のDFを難なくかわすものの、1人かわしても2人、3人と現れてくる相手DFの前にゴールまで近づくことができなかった。

 だが岩木は突破力に加えて“魔法の右足”も持っていた。前半25分、ゴール正面左寄りの位置でFKを得ると右足を一閃。「練習しているので。少しは自信あります」という得意の“ブレ球”FKは鋭い軌道を描くと、GKから逃げていくようにゴール右隅へ突き刺さった。チームの悪い流れをスーパーゴールで断ち切った。

 昨年までの役割は主にスーパーサブ。プリンスリーグ関東の桐光学園戦では途中出場から試合終了間際に決勝FKを決めている。また主力が負傷などで欠場した全日本ユース選手権準決勝の三菱養和SCユース戦や横浜FMユースとのJユースカップ決勝では先発出場してゴールを決めるなど、抜群の勝負強さを発揮してきた。チームの危機を何度も救ってきたMFは今年、得点源として期待されるが、「負けているときや同点のときとか、チームが危ない場面で決めてやろうと思っている」と昨年以上にチームを救うゴールを奪うことへ意気込んでいる。

 目標は昨年、全日本ユース選手権、Jユースカップともにあとわずかのところで手が届かなかった日本一。得点力と突破力の高さが魅力の岩木は「今年はひとつでも多く点を取って、全国制覇したい」。各全国大会で貴重な役割を果たした岩木だが、同時に目の前で優勝を逃す悔しさも味わっている。昨年の無念は今年自らの力で晴らす。

(取材・文 吉田太郎)

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