beacon

[MOM421]東京VユースMF端山豪(2年)_新生ヴェルディの“10番”が2得点の活躍

このエントリーをはてなブックマークに追加

 「ヴェルディの10番はプロにならなきゃいけないし、常に周りとの差を出していかなきゃいけない」。新シーズンで東京ヴェルディユースの“10番”を背負うMF端山豪(2年)は、エースのイメージについてキッパリと言い切った。

 この日は2ゴールの活躍。前半24分にPA手前から豪快なミドルシュートを決めて先制点。後半13分には3列目から走り込み、パスを受けるとGKを交わして、無人のゴールへ冷静に流し込んだ。

 しかし、エースらしい活躍にも楠瀬直木監督は「去年のチームよりも技術で劣る分、今年のチームは頭で補わなければいけない。そういう部分で試合中の判断を端山や楠美がもっと上げていかないと。端山は結果的に2点取ったけど、あくまで結果論」と厳しい言葉。「もっとやりたいことを周りに伝えていったり、自分だけでこもらないで欲しい」と話した。

 これは端山自身も痛感している。この日の試合では前半10分過ぎから、個人が持ちすぎるあまり、簡単にボール失う場面が続いていた。そのことに気づいた端山は、周囲の選手へ声を掛けたが、なかなかチーム全体にその意識は浸透せず、「試合中に全員に伝えなければいけないけど、伝えられない。近くの選手には言えたけど……遠くの選手に具体的な指示を伝えられなくて困っていました」と振り返った通りだ。

 昨年まではMF小林祐希が東京Vユースの10番を背負っていた。圧倒的な存在感で中盤に君臨し、ゲームを支配していた。今季トップ昇格を果たした小林を越すことは、容易ではないが「比べられるのは嫌だとは思う。でも、小林よりも攻撃的なのか、守備的なのか、それだけでもいい。自分の色を出して欲しい」と楠瀬監督は要求している。だからこそ「ボランチだけど点が取りたい。祐希くんも取っていたけど。もっと」とゴールへの意識で上回るつもりだ。

 これだけ監督が期待をかけるのも端山が、トップ昇格できるだけの“素材”であるからだ。「春くらいまでには一回り、二回りは大きくならないと。急がないといけない。去年はちょうど切り替えの時期だったから良かったけど、今年はトップに上がるのは簡単じゃない。でも端山は上がれないような子じゃないから。こういう子をしっかりと育てないと。それがこっちの仕事」と楠瀬監督は話した。

 新たな“緑の10番”が持ち前の確かな技術とリーダーシップを身につけ、チームを勝利に導いた時。端山自身の未来もおのずと開けてくるはずだ。まずは11日に行われる、東京都クラブユース(U-17)選手権の決勝・F東京U-18戦だ。これに勝利すれば、天皇杯東京都予選の出場権を手にできる。「夏休みは天皇杯やクラブユースの過密日程で行きたい。天皇杯で強い相手とやることでみんな成長できると思うから」と端山は話した。今シーズン最初の大会でタイトルを手に入れ、飛躍の年のスタートといきたいところだ。

(取材・文 片岡涼)

TOP