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矢島に登里がゴール!! 相馬フロンターレが初陣勝利!

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[3.5 J1第1節 川崎F2-0山形 等々力]

 2011年Jリーグが開幕! J1第1節が5日に各地で行われ、神奈川・等々力陸上競技場では川崎フロンターレモンテディオ山形が対戦した。相馬直樹新監督を迎えて注目を集めた川崎Fが、前半にFW矢島卓郎、MF登里享平が決めた2ゴールを守り抜いて2-0勝利。“相馬フロンターレ”が初陣勝利をつかんだ。

 相馬新監督を迎えて新しく生まれ変わろうとしている川崎F。システムは4-4-2でGKは杉山力裕、DFラインは右から横浜FMから新加入の田中裕介、井川祐輔、横山知伸、小宮山尊信。ダブルボランチは東京Vから新加入の柴崎晃誠と稲本潤一、右MFは登里享平、左MFは中村憲剛が務めた。2トップは矢島卓郎と楠神順平が組んだ。横浜FMから加入の期待の新戦力、山瀬功治はベンチスタートとなった。

 対する山形は就任4年目となる小林伸二監督のもと一桁順位を目標とする中、システムは昨年と同様の4-3-3を採用。GKは古巣戦でスタメンを勝ち取った形の植草裕樹、DFラインは右から小林亮、 園田拓也、石井秀典、石川竜也。中盤はアンカーに佐藤健太郎、2列目に秋葉勝と鹿島から新加入の船山祐二が入った。1トップともいえる前線は長谷川悠を頂点に右に北村知隆、左に宮沢克行が入った。

 立ち上がり、主導権を握ったのは山形だった。積極的な前からのプレスでボールを奪っては、素早くサイドに展開。長谷川の頭を目指す形で、効果的にクロスを入れた。川崎Fも前線からのプレスでショートカウンターを狙うが、中盤でボールがうまくとれないうえ、パスミスも続いて山形に反撃を食らう展開が続いた。

 しかし前半20分すぎから川崎Fが徐々にリズムを取り戻す。落ち着きを取り戻し、中盤で少しずつボールが回せるようになった。とはいえバイタルエリアで山形守備陣の包囲網にあい、崩しきることはできなかった。それでも後半34分、川崎Fが個人技で大きな先制点を奪った。

 左サイド、ゴールまで40メートル前後はなれた地点で矢島卓郎がうまく反転からドリブルで抜け出しゴールへ突進。一気にスピードに乗ると、DF2人を抜きながらPA内を突き進み、そのまま右足でゴールネットを揺らした。今季はFWの柱として期待される男の一撃で、川崎Fが一気にリズムを取り戻した。

 先制点で息を吹き返した川崎Fはその4分後、貴重な追加点を奪った。中央付近でのルーズボールを憲剛がうまく前線にパスを出し、U-22代表入りを狙う登里享平が抜け出してDFラインを突き破り、左足できっちりと流し込んだ。このとき、相馬新監督はベンチ前でガッツポーズ。序盤は苦しんだが、最高の形で川崎Fが前半を折り返した。

 ともにメンバー交代なく後半がスタート。川崎Fがややボールをつなぐ展開が続いた。山形は守備ブロックを形成し、奪ったらサイド、そしてクロスと徹底した形を貫く。しかし、なかなかゴールをこじ開けることはできない。後半16分、左サイドのスルーインから石川が左足クロス。中央で長谷川がうまくスペースを空け、背後から北村が飛び込んだが、合わせることができず。山形は決定機を逃した。

 流れを変えたい山形は後半21分、船山に代えてMF伊東俊を投入。スピードとドリブル突破を生かそうと2列目に据えた。対する川崎Fは同22分、疲れが見え始めていた登里に代えて昨年はレギュラーだったMF田坂祐介を送り出した。堅守からのカウンターを仕掛けたい山形は同25分、CBの園田に代えてDF前田和哉を投入した。

 その後、試合は川崎Fの2-0のまま、一進一退の攻防が続く。ボールは川崎Fが支配したが、バイタルエリアを崩すことはできない。山形も運動量が落ち、サイドやトップに効果的なボールが入れられなかった。停滞感を打破するためか、後半36分に両軍ともに動いた。川崎Fは矢島に代えてFW小林悠を、山形は秋葉に代えてスピードとドリブルが売りのMF廣瀬智靖を入れた。

 後半39分、川崎Fは中村憲剛に代えて新加入のMF山瀬功治を投入。憲剛が入っていた2列目左に構えた。何とかまずは1点を返したい山形。後半43分に伊東がオフサイドラインぎりぎりで飛び出し右クロス。長谷川が飛び込んだが、GK杉山にセーブされた。

 ロスタイムは3分。山形はロングボールでゴールをうかがうが、川崎F守備陣が奮闘。終了間際、川崎Fは山瀬がセカンドボールを拾って約35メートルのドリブル突進。圧巻の仕掛けを見せたがシュートは決めきれず、そのまま試合終了。2-0完封と上々の形で、相馬フロンターレが“初陣勝利”をつかんだ。

(取材・文 近藤安弘)

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