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“川島後継者”川崎FのGK杉山が開幕スタメン、「サポーターにタイトルで恩返しがしたい」

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[3.5 J1第1節 川崎F2-0山形 等々力]

 川崎フロンターレのGK杉山力裕が開幕スタメンを果たした。静岡学園高から入団して6年目。昨年11月の鹿島戦でリーグデビューを果たした守護神は、この日の山形戦でゴールマウスを守り、完封勝利に貢献した。

「完封は意識していませんでした。GKとして0に抑えられたのは良かったけど、それよりも応援してくれるサポーターに勝利をプレゼントしたかった。それが出来てうれしいです」

 悔しい思いを乗り越え、ついに正GKの座を手にした。昨夏の南アフリカW杯後、日本代表GK川島永嗣がベルギーに移籍。再開後のリーグ戦では杉山が新守護神に君臨することが濃厚だった。しかし、左ふくらはぎ肉離れの怪我で不意にし、GK相澤貴志に譲る形となった。

「自分が行くというときに怪我をしてしまって、いろんな人に迷惑をかけた。それがあったから、今年は自分が行くぞという強い気持ちでやっていました」。この日は特に緊張することなくピッチに立ち、最後尾から声を張り続けた。体を張ってゴールを守った。「とにかく僕もプロ6年目。自信を持ってやろうと思った。落ち着いて練習してきた通りにやろうと思った」という。

 山形はシュートは3本だったが、ハイボールを多用し、決して楽な守りではなった。それでも、ひるむことなく、積極果敢に飛び出してセーブした。そして完封に貢献した。「怪我をしたとき、トレーナーさんに、自分を早く治すためにいろいろとやってもらった。きょう勝てたことで、恩返しが出来たと思う」と充実の表情を見せつつも、「勝ったことはもちろん良かったけど、クロスに長谷川が飛び込んできたときに、(川崎Fの守備ラインが)中で数的不利の状態になったときがあった。その前に自分の指示でうまくやれるところがあった」と課題を口にし、さらなる向上を誓った。

「開幕からチャンスをもらって出られたので、きょうみたいな強い気持ちを継続してやりたい。等々力の雰囲気は最高だった? きょう、バスで入るときサポーターが出迎えてくれて感動した。声援が力になりました。改めてサポーターは日本一だと思った。サポーターにタイトルで恩返しがしたいです」と杉山。川島の後継者という役割は大変だが、むしろ楽しみに変えて、フロンターレのゴールマウスを守る。

[写真]開幕スタメンのGK杉山

(取材・文 近藤安弘)

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