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[Y☆voice70]日本高校選抜GK櫛引政敏(青森山田)「苦手を逃げてやらなかったら一生できない」

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 高校年代の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「Youth star voice」。第70回(11年日本高校選抜編第4回)は青森山田高(青森)から清水エスパルスに加入したGK櫛引政敏選手です。
 高校2年生だった09年度の全国高校選手権では準決勝のPK戦でシュート3本をセーブするなど、決勝進出の立て役者のひとりとなった櫛引選手。昨年は一学年上の世代の中で日本高校選抜、そしてU-19日本代表候補メンバーにも選出されました。2年連続で日本高校選抜に選出された実力派の守護神は高校3年間をどのように過ごしてきたのか、そして現在の自分自身にとっての課題をどのように感じているのか?(取材日:3月5日)

―高校3年間を振り返って
「3年間一言にまとめたら、やっているときは『長いなぁ』『早く卒業したいなぁ』と思ったりしていたんですけど、卒業したら言い方は悪いかもしれないですけどなんか『ちっぽけな感じ』でしたね。あまりにもあっという間で」

―清水での練習が充実しすぎて、そう感じるのかもしれないけど
「卒業式の時は、自分でもっといろいろできたことがないのかなと考えました。もっといろいろな練習をしておけば良かったなと思う。自分は山田に恩返しできなかったし、パッとしない感じで終わってしまった。(特に3年の選手権は)すぐ終わっちゃったんで、なんかやり残した感はありますね」

―高校時代、これだけは誰にも負けずにやってきたということは
「高校時代と言うよりも山田の中学校からの6年間でやってきたことのひとつがキック。小学校の頃は全然キック力がなくて、もう数メートルも飛ばなかった。それで中学1年生になったときにキーパーだったら飛ばさないとダメだなと思って、キックばかり練習して、3ヵ月くらいでもう簡単にハーフウェーライン越えるようになって、そこからキックには弱冠自信を持てるようになりましたね」

―櫛引選手の場合、試合中にも自分自身にテーマを持ちながらやっているように見えるけど
「試合ということはないんですけど、まず一つのテーマを自然に出来るまでやる。例えばキックを飛ばすことだったらそれをずっとやって、それが自然に出来るようになったら、それは自分にとって当たり前のことになるじゃないですか。そしたらすぐ次のことをテーマにおいて、それがどんどん増えてくるように意識しながらやっていた。試合で苦手だからといってやらなかったら、試合という変わった雰囲気でできないと逃げてやらなかったら、一生できないと思う。だから今チャレンジしないとダメと思う」

―エスパルス1年目のキャンプはどうだった?
「キャンプでは練習ゲームで1試合も出られなかったんで、悔しい部分もありました。でも、それが今の結果なんで、それを真摯に受け止めて、これからまず試合に出られるようにならないといけないな、ということは改めて実感しましたね」

―どの部分が課題に
「どういうところというよりも全ての面。キャッチとか状況判断とかセービング、ビルドアップもそうですし、上の3人にあらゆる面で全部勝たないと試合には出してもらえないと思う。どれか一つと言うよりも全部やっていかないといけないと思います」

―高校選抜として期待されているし、今年はU-18代表世代のチームもスタートしています
「これまで代表候補はありますけど、代表はない。代表に入って世界と戦うということは自分自身にとってもいい経験できるし、チームにとってもいいことだと思っているので、そこはしっかり狙っていきたい」

―ゲキサカのファンにここは見て欲しいというところは?
「普段の面白さですね! 自分はウケ狙いにいったらウケないんですよ。自然の状態が結構いいらしくて、生まれ持った(笑いの)ポテンシャルがあると思います。(そこにも)注目してもらえれば」

(取材・文 吉田太郎)
連載:
「Youth star voice」

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